3月2日、第19回ダバオ市議会にて、「再生できないプラスチックの使用禁止」に関する条例が可決した。再生できないプラスチックの販売、配布、および使用を制限するだけでなく、再生可能な製品の使用を促すことが狙いだ。環境団体の2019年からの訴えが実現した形だが、そのすべてが実現したわけではなさそうだ。
条例には、「以下の再生できないプラスチック製品は、特別な許可がない限り、今後一切販売、使用、および配布できない。その例として、飲用カップ、アイスクリームのカップ、香辛料や液体調味料の容器、カップのふた、マドラー、ストロー、肉製品の箱容器、ケーキ容器、たまご容器、風船の持ち手、グローブなどが挙げられる」と記載されている。また、ここに記載された「特別な許可」は市長のオフィスから出され、その際、商用の代用品がないことを証明するという。
この条例実現のために動いてきた環境団体は、市長がサインし、条例が機能するのを待っている状態だ。ただし、2019年から条例の実現に向けて訴え続けてきた彼らは、そのすべてが実現されていないことに不満を漏らしている。
その不満は大きく3つある。一つ目は「例外品」があることだ。今回の条例には、土のう袋や小分け用袋、ペットボトルは含まれていない。二つ目は「特別許可」についてだ。環境団体は、毎年特別許可をもらうために10,000ペソを支払うのではなく、1品にいくらと決めたほうが再生できないプラスチックの量を抑えることができると述べている。最後の三つ目は「インセンティブ」だ。同団体では、プラスチックなどの使用を避けて品物などを運ぶ施設や企業にインセンティブを与えたり、それぞれのポリシーを公表したりするよう動いているところだ。
ダバオ市は、北九州市と「環境姉妹都市」提携を結ぶなど、自然環境を守っていこうと動く姿勢が多く見られる。また、街中にはごみが捨てられていることも少なく、「ダバオ市を美しく保とう」という市民の意識も伺える。この条例を皮切りに、ダバオ市が、さらに環境にやさしい街づくりを推進していくのが楽しみだ。