2026年2月7日、ジェネラル・サントス市の海岸にジュゴンが打ち上げられ、死んでいるのが発見された。この出来事は、この地方の絶滅危惧種である海洋野生生物の脆弱さを浮き彫りにした。
沿岸監視員や近隣住民の報告によると、最初に発見された際、ジュゴンはまだ生きていたという。その後、海洋野生生物救助センターで解剖が行われた結果、この個体は妊娠していたことが確認された。
サラガニ湾保護海域(以下SBPS:Sarangani Bay Protected Seascape)の専属獣医によると、ジュゴンの内臓に異常は見られず、死因に直接つながるような異物や摂取物も確認されなかったという。この成体の体重は400〜500キログラムと推定されており、出産間近であった可能性が高い。
この前日の2月6日には、キアムバで希望に満ちた光景が目撃されていた。SBPSの保護海域管理事務所(以下PAMO-SBPS:Protected Area Management Office)が、親子で泳ぐジュゴンを記録したばかりであった。授乳を含む自然な行動が観察され、健全な交流が確認された。これはSBPSが繁殖と摂食の場として重要であることを裏付けている。
SBPSの関係者は「これらの出来事は、保全活動の成果と、ジュゴンが直面し続ける脅威の両方を示している」と述べた。親子の目撃は希望を与えた一方で、妊娠した個体の死は、これら穏やかな海洋哺乳類が依然として危険にさらされていることを再認識させる。
ジュゴンははマナティに近縁であり、フィリピンで唯一の完全な草食性海洋哺乳類である。主に海草を食べるため、健康な海草床の存在が生存に不可欠である。野生での寿命は最長70年に達する。メスは約13か月の妊娠期間を経て、3年〜7年ごとに1頭の子を産み、子は1年以上授乳を受けて母親のそばを離れない。そのため、成体のメスを失うことは個体群の回復に重大な影響を及ぼす。
ジュゴンの現状
世界的にジュゴンは、インド洋や西太平洋の約37〜40か国で確認されている。個体数は7万〜10万頭と推定されているが、多くの個体群は小規模で分断されており、減少傾向にある。
日本、香港、台湾、ベトナムの一部ではすでにジュゴンが絶滅しており、フィリピンでは1970年代以降、人間活動の影響で個体数が大幅に減少した。現在、ミンダナオ、パラワン、ギマラス、ルソン沿岸のサラガニ湾などで小規模で分断された個体群が生息している。フィリピン国内には推定200頭未満のジュゴンしか残っておらず、目撃や漂着の報告は保護上非常に重要である。
国際自然保護連合(IUCN)はジュゴンを世界的に「絶滅危惧(Vulnerable)」に分類しており、フィリピンの法律(DAO 2019-09)では「絶滅危惧種(Critically Endangered)」に指定されている。
ジュゴンは多くの脅威に直面しており、海草藻場の消失や劣化、船との衝突、漁具への絡まり、海洋汚染などが挙げられる。フィリピンでは、破壊的な漁法や堆積、汚染、沿岸開発が原因となっている。過去50年間で海草生息地の30〜50パーセントが失われたと推定されている。
サラガニ湾は、ジュゴンの餌場、繁殖地、避難所として不可欠な生息地である。当局は、保護のために市民が積極的な役割を果たすよう呼びかけている。
目撃した際は距離を保ち、追いかけたり餌を与えたりしないことが重要である。また、浅瀬での船の減速や、海洋汚染を防ぐための適切な廃棄物処理を求めている。
ジュゴンの目撃や漂着を発見した場合は、直ちにPAMO-SBPSや地方当局へ報告する必要がある。






