【News】ダバオ市暫定バスサービス、低床バス10台到着ー11月中旬に運行開始へ

ダバオ市バス

ダバオ市暫定バスサービス(以下DIBS:Davao City Interim Bus Service)の新型低床バス10台が、ダバオ市陸上輸送ターミナル(以下DCOTT)に到着し、2025年11月中旬にも運行を開始する見通しであることが、プロジェクト責任者のトリスタン・ドワイト・ドミンゴ弁護士により10月14日に確認された。

これらの車両は、ダバオ市政府の資金により導入されたもので、全車両にエアコンを完備し、座席数は42席以上を確保している。運行開始当初は、無料の試乗サービスが提供される予定である。

ドミンゴ氏によると、本車両の導入は公共交通機関の近代化を推進し、特にラッシュアワーにおいて市民に快適かつ信頼性の高い移動手段を提供するための継続的な取り組みの一環である。

ドミンゴ氏はDCOTTでのメディアインタビューにおいて、「これら10台のDIBSバスは、市内の混雑の緩和と、快適で利便性の高い移動環境をダバオ市民に提供することを目的としています。これらの車両はダバオ・バス・プロジェクトの本格展開を待つ間の暫定的な措置として位置付けられています」と述べた。

DCOTTの運営管理者であるアイサ・ウソップ氏は、「SunStar Davao」のインタビューで、新しいバス10台が一時的に同ターミナルを車庫として使用しても日常の運行に支障はないと述べた。

ウソップ氏は「これらの市バスはダバオ市内を運行し、DCOTTは従来通り州間バスを受け入れます」と語った。

天候による遅れも計画通り進行中

ドミンゴ氏によると、バスは当初、より早く到着する予定であったが、マニラからの出荷が台風の影響を受け、約1週間遅れたという。「それでも全体のスケジュール内には収まっていて、運行開始は11月中旬頃の見込みです」と述べた。

10台のバスは中国製で、国内業者を通じて供給され、1台あたりの費用は1,000万ペソ未満である。ダバオ市は、透明性のある調達プロセスを経て、GPS追跡システム、電子メンテナンス管理、自動乗客カウンターなどの主要技術の導入を供給業者に義務付けたと説明した。

最先端の機能を搭載

バスは低床かつバリアフリー仕様で、乗客数を自動カウントするシステムを搭載し、利用状況のデータ収集が可能である。「乗客が乗車するたびにシステムが記録し、その情報は車両運行管理システムに自動で反映されます」とドミンゴ氏は説明した。これによりリアルタイムでデータ分析し、必要に応じてルートや運行スケジュールを調整可能である。

また、バスは固定の停留所のみで停車し、乗降ルールを厳守することで運転手と乗客双方に規律と秩序を促す狙いがある。「無断乗降は認められず、すべてのバス停には標識が設置される予定で、現在納品待ちの状況です」と述べた。

運転手とルートの準備

新バスには、訓練を受けた運転手が乗務し、約50人の新規スタッフが対応にあたる。その中には障がい者や自転車利用者、バス停の乗客をサポートする民間警備員も含まれている。

ドミンゴ氏は、「運転手は継続的に訓練を受けており、現在はルートの確認と慣熟を進めているところです。2週間以内に万全の体制で臨む見込みです」と話した。

ルートは現在、陸上交通許認可規制委員会(LTFRB:Land Transportation Franchising and Regulatory Board)と最終調整中で、間もなく発表予定である。バスは通勤・通学のピーク時間帯である午前6時〜10時、午後5時〜9時に運行される見込みである。

当面は無料運行

運行開始時は、これら10台のバスに無料で乗車できるとドミンゴ氏は明言した。「当面の間は無料で運行し続ける予定です。将来的に約1,000台を導入する『ダバオバスプロジェクト』が全面稼働すれば、有料になる予定です」と付け加えた。

今後の運賃は、国の指針に基づき約13ペソからスタートし、承認や物価変動に応じて調整される見込みである。

近代的なバスシステムへの第一歩

ドミンゴ氏はまた、今回の10台は、民間事業者が運行する既存の「ピーク時バス増強サービス(以下Phabs:Peak Hours Augmentation Bus System)」を補完するもので、「既存バスシステムの置き換えではなく、市民と職員を市全体の近代的バス運行に向けて慣らす試みである」と説明する。

さらにDIBSプロジェクトは、約730億ペソ規模で運輸省(以下DOTr)が推進する「ダバオ公共交通近代化プロジェクト(ダバオバスプロジェクト)」への完全移行に備え、運転手や利用者の「トレーニングの場」としての役割も担っている。

課題とDOTrとの連携

ダバオ市の暫定的プログラムは進行中だが、国家プロジェクトのターミナル用地取得が大きな課題である。ドミンゴ氏は、「DOTrは、主にカリナン地区で複数の土地所有者と交渉中で、一定の進展はあるものの、書類手続きや資金調達には時間を要している」と述べた。

市はプロジェクト運営委員会を通じて、DOTrと定期連絡を取り合っており、「最大の課題は資金調達である」と強調した。

「DOTrは、必要予算を要求できるが、最終的には財務省(DBM)、大統領、議会の承認が必須である。資金支援が得られない場合、ダバオ市は暫定的解決策を積極的に提供していく」と付け加えた。

ダバオ市民のための設計

緑と青を基調に、「Dabawenyo DCplinado(規律あるダバオ市民)」のタグラインを掲げたバスは、ダバオの革新性と規律の象徴である。

ドミンゴ氏は、「このプロジェクトは単なる車両導入にとどまらず、市民と運転手に、規律と慣れを定着させることが狙いです。乗客は正しい場所で乗降し、一般車両はバスに道を譲る。これが近代的都市の姿です」と述べた。

ダバオ市民が信頼でき、便利な公共交通を享受する時が来たと強調する一方で、最終的にはより多くのバス導入と市の主要交通手段化を目指すため、市民には過度な期待を控えるよう呼びかけている。

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