フィリピン保健省(以下DOH)と国家栄養委員会ダバオ地方事務所(以下NNC11)は、栄養不良(発育阻害と消耗症)、栄養過多(過体重と肥満)、三大微量栄養素欠乏という3つの問題に対処するため、第11次栄養改善のための行動計画(PPAN)を開始した。この6ヵ年計画は、フィリピン開発計画の下、国内の全年齢層の栄養状態に焦点を当てる、現政権の意向に沿ったものである。
2022年のNNC11のOperation Timbang Plusからのデータによると、ダバオ地方では5歳未満の子どもの発育阻害が5.8%、消耗症が1.1%、体重過多が1.6%確認されており、そのほとんどがダバオデルスル州やダバオオクシデンタル州、ダバオデルノルテ州の子どもである。
DOHのアズセナ・ダヤンヒラン次官補は、発育阻害は様々なプログラムの中でも特に焦点を当てる必要があると述べた。「常に発育阻害が論点になるのはなぜか。それは、単に身体的な側面の話ではなく、脳の発達にも関わる問題だからだ。発育不全になると、その子どもは心身ともにダメージを受けてしまう」とのことだ。
ダヤンヒラン次官補は、全ての地方自治体に対し、栄養を優先させるよう促し、国や地方自治体における議題の最前線に位置づけるよう訴えた。「私たちはあらゆる努力を加速させており、フィリピン国民に、健康で、十分に成長し、賢く、そして競争力を身につけてもらえるよう応援している」という。
これに伴い、NNC11プログラムコーディネーターのマリア・テレサ・ウンソン博士は、栄養運動を支援するため、全国に栄養拡大ネットワークを設立し、学術会・政府機関・企業・若者など、社会の様々な部門とのつながりを構築したと述べた。ウンソン氏は、これらの部門も「技術支援・開発・研究など多くの形で貢献し得る」と強調した。
DOH11のアナベル・ユマン局長もまた、各自治体がこの問題にさらに力を入れるために栄養士を配置する必要性、母乳育児に配慮した施設の増加、妊婦のためのプログラムの実施、医療従事者のためのオリエンテーションや研修の継続的な実施など、栄養に関する地域の取り組みを共有したほか、家庭内での栄養を維持するための家庭菜園の重要性についても言及した。
栄養不良をなくすための取り組みをさらに進めるため、DOHは、5年間にわたり60の国家機関から総額5,920ペソの積立予算を割り当てている。
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