交通の便の向上と経済の活性化を目的に、フェルディナンド・マルコス大統領(愛称:ボンボン)が大口の構想として宣伝する、計1,000キロメートル超の鉄道プロジェクトは、実際の建設が始まる前の実行可能性調査を受けることが決定している。
マルコス大統領の施政方針演説(SONA)を受け、ハイメ・バウティスタ運輸大臣は7月25日、4つの主要鉄道システムに関する調査のための資金が既に確保されていることを明かした。4つの主要鉄道システムとは、フィリピン国鉄(PNR)南北通勤鉄道(全長853km)、パナイ鉄道(全長100km)、北ミンダナオ鉄道(全長54km)、サンマテオ鉄道(全長17km)である。大臣曰く、現在フィリピン国鉄は、実行可能性調査を行うコンサルタント企業を探しているところだという。
南北通勤鉄道プロジェクトは、首都圏とイロコス地方、カガヤン渓谷、中央ルソンを結ぶ地域間鉄道システムである。1985年に運行を停止したパナイ鉄道は、それ以前はイロイロ州とカピス州のいくつかの町を結んでいた。
ミンダナオ鉄道プロジェクトの北部ミンダナオ区間は、カガヤンデオロ州からミサミスオリエンタル州のラグインディンガンおよびビラヌエバまでを結ぶ。ミンダナオ鉄道全体では、ミンダナオ島の主要都市を繋げることを目指している。
サンマテオ鉄道プロジェクトは、マニラLRT(次世代型路面電車システム)2号線サンマテオとリサール州ロドリゲスに接続する。これにより6つの駅が新たに建設される予定だ。
他のプロジェクトを含めると、実行可能性調査にかかる費用は6億ペソの見積もりだ。バウティスタ大臣は、「運輸省は、より多くの人・モノ・サービスを移動させ、経済成長を誘発することを目的とした、より多くの交通インフラやプロジェクトを成功させるため、この勢いを加速させるだろう」と語った。
ミンダナオ鉄道は数年前から構想が練られているが、未だ実際の工事の報を聞かない。この鉄道計画が実施される日は来るのだろうか。コロナ禍でも計画を前に進める意向は変わらなかったようだが、この間にも鉄道を走らせる予定地に居住する人が増え、補償の予算が膨らんでしまいそうだ。あまり期待し過ぎずに続報を待ちたい。