マラウィ補償委員会(以下MCB)は5月23日、マラウィ市での戦闘の犠牲者の補償に関する実施規則(以下IRR)に署名した。国内唯一のイスラム都市の中心部を破壊した、政府軍とイスラム国系武装勢力による5ヶ月間の市街戦の開始から、6年後のことである。
MCB議長のMaisara Dandamub-Latiph氏は、戦闘で家族や財産を失った住民をリストアップするために、10億ペソの非課税賠償金の支払いの実施前に、IRRを全国紙2紙に掲載する必要があると語る。「(公表から)15日後には理事会が請求の評価を開始し、支払いのスケジュールを立てるので、本当の仕事が始まるだろう」とのことだ。
フェルディナンド・マルコス(愛称:ボンボン)大統領は以前、2017年のマラウィ市での戦闘の犠牲者に対する非課税賠償金の支払いを促進するため、9人の委員からなるMCBに指示を出していた。Latiph氏によると、予算管理省(DBM)が既に10億ペソの賠償金予算を割り当てているという。
MCBのMabandes Diron Jr.委員は、政府は戦争で破壊されたコンクリート製の建物には、1平方メートルあたり35,000ペソ、木造住宅には1平方メートルあたり18,000ペソを支払うことになると語った。一方で、Moslemen Macarambon Sr.委員は、審査は厳しく、請求のためには証拠となる書類の提出が求められるだろうと明かしている。
Jaslia Abbasさん(47)は、6年間待ち続け、激しい銃撃戦で破壊された家の補償をようやく受けられると意気込む。「私はこのために6年間待っていた。このお金が、私がずっと背負ってきた不安の痛みに、何らかの区切りをつけてくれることを祈っている」と彼女は語った。
マラウィ合意グループの議長であるDrieza Liningding氏によると、マラウィでの戦闘から6年経った今でも、少なくとも5,000世帯が仮設住宅で生活しているそうだ。
マラウィの主要影響地区(MAA)と呼ばれる区画の大部分は、武装勢力が最後の抵抗をしたグラウンドゼロと呼ばれる場所で、政府はこの場所に新しいモスクやビル、広大なスタジアムを建設したものの、住民の立ち入りは未だに禁止されている。