先日はマギンダナオデルノルテ州で州で、2人が州知事を名乗り混乱が生じていたが、今度はマギンダナオデルスル州のパンダッグ町で同様のことが起きている。同自治体は、内務自治省(DILG)中央支部と内務自治省バンサモロ知事地区支部(MILG-BARMM)の公認町長がそれぞれ違うため、現在2人の町長がいることになっている。
対立しているのは、Khadafeh Mangudadatu氏とMohajeran Balayman氏の陣営で、両陣営は2022年5月の選挙後の公布日以来、法廷闘争に突入している。当初はMangudadatu氏が選挙管理委員会(Comelec)によって勝利を宣言されたが、Balayman氏の陣営が抗議し、それによって再集計の結果が逆転し、裁判所を納得させるに至った。
しかし両者とも、この件に関しては控訴を行っており、どちらも相手の町長としての根拠が不十分であると指摘し、あるいは市長としての宣誓や地方裁判所の判断ミスを根拠に自らの市長としての正当性を主張している。
2022年5月の選挙の前後数週間で、パンダッグ町では殺人事件が相次ぎ、町内の村長、選挙管理委員会の職員、数人の市民が殺害されている。
パンダッグ町には8つのバランガイ(最小行政区)があり、人口は約3万人。ココナッツ、バナナ、とうもろこし、パーム油などの農産物のほか、大量の天然ガスが埋蔵されていると言われている。
先日の件に続いて、マギンダナオの政治が揺れているようだ。政治の不安定が市民の生活を脅かさないよう、1日も早く公正な裁判結果が出るよう願っている。