絶滅の危機にあるフィリピンイーグルや他の鳥類の感電死を防ぐため、フィリピンイーグル財団(以下PEF)は、国の国鳥を保護する取り組みの一環として、北コタバトのシナカ山で1.5キロメートルの電線の絶縁を開始した。
PEFの研究・保全部長であるJayson Ibañez氏は、声明の中で、2018年に起きたフィリピンイーグルの感電死を繰り返さないために、コタバト電気協同組合(以下COTELCO)の電線に改修が必要だったと述べた。
この事件では、アラカン町のバランガイ(最小行政区)トゥマンディンで、フィリピンイーグルの幼鳥が死亡した。裸電線による感電事故でのワシの死亡例は、2004年の事例に引き続きこれが2例目だった。4.5キロメートルの改修プロジェクトの第1弾となるバランガイ・トゥマンディンでの絶縁線の設置は3月に開始され、フィリピンイーグルの日を祝う今年6月までに完了する予定だという。
PEFのDennis Salvador事務局長は、1995年に財団がシナカ山をワシの営巣地として確認されて以降、「教育や森林保全・回復プロジェクト、生計支援を通じて、ワシにとって責任ある隣人となるよう地域社会全体を支援している」と語った。
フィリピンイーグルはフィリピンの国鳥であり、ダバオ市のフィリピンイーグルセンターでは孵化や保育が行われている。パンデミック以前には同財団の主催で植樹が行われたり、昨年にはフィリピンイーグルに関する決議が出されたりと、保護の体制が少しずつ整いつつある。このプロジェクトにより痛ましい事故が減ることを祈ってやまない。