ミンダナオ全体の発展が進んでおり、今後メトロダバオが成立すればそのスピードはさらに増すことだろう。そこで喫緊の課題となってくるのが「電力の確保」だ。現在は供給量が需要を上回る状況だが、2028年頃には今度は需要が供給量を上回り、電力をさらに確保しなければならない状況となってくる。ミンダナオ開発庁(MinDA)は、ミンダナオの新しい水力発電所に関してコメントした。
2月7日、MinDAのRomeo Montenegro次官補は、ミンダナオに「Wholesale Electricity Spot Market (WESM)」という電力売買に関する組織ができれば、ミンダナオの水力発電プロジェクトは先に進むだろうとコメントした。ミンダナオの電力に関する組織はすべて契約を結んでしまっており、受け手がいないことが要因だという。そして、「このような組織がミンダナオにあれば、再生可能エネルギー事業を優先してお任せしたい」と語った。
また、現在2件の水力発電プロジェクトが計画されているが、その提案書はまだエネルギー省で見直しがおこなわれているところだ。ミンダナオ中部にあるブギノドンMaramagに建設予定の「PulangiⅤ」プロジェクトは、300メガワットの発電量が見込まれている。しかし、ダムの建設にあたり、その地域に住む複数の先住民族への影響が懸念されている。
また、250メガワットの発電が見込まれている「Agus III」水力発電所は、Ⅰ~Ⅵまで6機がセットになった発電所だ。しかし、メンテナンスの際、そのすべてを止めないといけないことが課題となっている。また、同発電所は現在、民営企業のもと運営されている。そのため、水の流れをせき止めることがMinDAではできない状態となっている。
このような懸念がそれぞれの発電所にあるため、エネルギー省による再検討がなされているというのが現状のようだ。発展が続くミンダナオにおいて、電力確保は喫緊の課題だ。これらの発電所が課題をクリアし、建設に向けて進んでくれればと思う。