【コラム】有力者や金持ちにしか回ってこないんだろうなあと思っていたら~田舎のワクチン接種事情~

私は「緑」だったので、問診のあと、すぐに順番が回ってきて、いよいよワクチン接種です。私にはアストラゼネカ社製のワクチンが回ってきました。接種してくれているのは薬剤師さんです。 ダバオオリエンタルのワクチン接種会場 ちなみに、行ってから知ったんですが、ワクチンの種類は選べないシステムでして、一緒に接種に行って、「オレンジ組」になったスタッフは、シノバック社製のワクチンでした。日本で同じシステムにしたら大問題になりそうですが、「とにかく早くワクチン接種を進める」ことに特化したこのシステムは、医療リソースの限られたフィリピンの田舎においては、妥当だったと私は思います。

接種後はアナフィキラシーショックなどがないかを確認するため、教室に集められて10分ごとに血圧を測り、問題がなければ30分で解放されます。ちなみにオレンジ組はこれが1時間だったそうで、一緒に行ったスタッフはずいぶん足止めを喰らってました。

面白かったのはその後で、帰ろうとしたらスタッフさんに「良かったら記念写真を撮っていってね!できればSNSにアップして!」と頼まれました。「ワクチンを打つとゾンビになってビルゲイツに操られる」みたいな荒唐無稽な噂が広まっていることが接種が進まない理由になっているそうで、その不安を取り除くためにも、接種を受けた人には、積極的に情報発信をしてほしい、とのことでした。

そんなわけで、医療スタッフさんと一緒に楽し気に記念撮影。こういうノリがフィリピンのいい所ですね。 ダバオオリエンタルのワクチン接種会場 その後、2回目の接種や12歳~17歳への接種、そしてブースター接種も行われており、私たちはいち早くスタッフやこどもたちを連れて行っていますが、いつも会場はガラガラです。

こんな田舎にもせっかくワクチンが届き、意外なほどに行政もちゃんと仕事をして人員をそろえ、システムを構築し、誰もが無料でワクチンを受けられる状況になっているのに、会場がガラガラで、当日キャンセルが相次ぎ、ワクチンの使用期限が切れてしまう事態が起きているのは本当にもったいないことです。

フィリピン全体のワクチン接種完了率は2022年1月現在で約52%。都市生活では「ワクチンパス」が仕事やモールでの買い物などで必須ですが、田舎生活では必要とされる機会がほぼないので、「なんか悪い噂もあるし、別に受けなくていいか」という人が多いのも無理はありません。

何か、フィリピンの田舎の人が「あ、打った方が得かも」と思えるような施策が必要だと思います。私の個人的なアイディアでは、「闘鶏場」を、ワクチン接種を条件に再開するのがいいんじゃないかと思いますが、どうですかね?


【コラム】え?それ食べれるの? ~フィリピンの謎の海産物をご紹介~

【コラム】初めてダバオでジープに乗った日のこと~ジープが貴重な観光資源に~(後半)

 

コラム記事をもっと見る

Hello world tours

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社