【News】ダバオ地方の「リンゴ農家」、フィリピンでは不可能と言われるリンゴ栽培に成功したのはなぜか?

ダバオ

リンゴ農家と聞いたら、日本でいえば青森や長野などの北の地域を思い出すだろう。では、フィリピンにリンゴ農家がいるとすれば、どこにいるだろうか?南国のフィリピンでリンゴが育つとイメージできただろうか?この一見不可能なリンゴ栽培を可能にした、リンゴを熱心に研究するフィリピン人がダバオ地方にはいる。

農業省によると、リンゴは涼しい気候で最もうまく育つため、フィリピンのような南国で育てることは難しいという。しかし、Sebe氏はこの困難をダバオデルサル州ディゴス市で打ち破った。

Sebe氏がリンゴに興味をもったのは7年前のことだった。モールで食べたリンゴが気に入り、そこから取った3つの種を育ててみることから始めた。最初は貝殻に植え、12センチ前後まで育ってきたところで苗木袋に移植した。種はすべて発芽したが、生き残ったのは1つだけだった。しかし、今では370本のリンゴの木を育てるところまで範囲を広げることができている。では、なぜここまで多くのリンゴを育てることに成功したのだろうか?

まず、気候が挙げられる。ディゴス市Kapataganはアポ山の麓に位置するため涼しく、めずらしい果物を育てるのに適しているという。そして、Sebe氏が失敗してもあきらめず原因を分析し、試行錯誤を繰り返してきたことも理由に挙げられる。同氏曰く、種を100個植えても、実際に木まで成長できるのは5~10%しかいないという。ここまで厳しい数になっているのには、感染症に弱いことや、強風や雨などの影響を受けやすいことが挙げられる。これらの困難を乗り越えるため、Sebe氏は本や新聞、インターネットなどを使ってリンゴの育て方を勉強してきた。害虫対策にも取り組んできた。最初にSebe氏がリンゴを収穫できたのは2018年のことだった。収穫の際には1本あたり毎回30~35個のリンゴを収穫できているという。

現在、この果樹園「Kapatagan Apple Orchard」はフィリピン初のリンゴ栽培について学べる農業訓練施設となっている。フィリピンでリンゴ農園は珍しい存在であるため、観光客も訪れているという。さらに、Sebe氏は現在大学で農業学を専攻して学んでいるところで、自身のYouTubeチャンネルももっている。フォロワー数は2万人を超えており、再生回数も合計130万回を超えている。コロナ禍に入り外出ができなくなってからは、YouTubeを多くの若者が見ているという。Sebe氏は、自分のような農家が自分よりもすごいサクセスストーリーを作ってくれればと願っている。

「好きだ、やってみたい」という強い気持ちと、「無理だ」という先入観を打ち砕くことの大切さを、Sebe氏は語りかけているように感じる。

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