2022年の大統領選に向けてひとつの動きが見られた。9月19日日曜日、ボクシング元六階級王者で現上院議員のマニー・パッキャオ議員(ミンダナオ島ブギノドン州キバウェ出身)が大統領選への出馬を正式に表明した。しかしながら、パッキャオ議員は現政権に批判的な姿勢を取っているため、どちらが正式な政党の候補者となるかは最高裁判所の判決に委ねられるとの見方も出ている。
政党PDPラバンの一部党員は、マニー・パッキャオ上院議員を2022年の大統領選候補として正式に指名すると宣言した。自身の派閥の党首を務めるパッキャオ議員は、国中の党の代表からの多くの推薦を受け入れた。そして、「我々は先に進むことが必要です。貧しさに打ち勝つ必要があります。そして、政府は正直さ、思いやり、透明性をもって人々のために働く必要があるのです」と語った。パッキャオ議員は、今後副大統領候補を選ぶという仕事が残されている。
この会では、ドゥテルテ政権への敵意も垣間見えた。PDPラバン党首のココ・ピメンテル議員は、「今日、我々は正式にハイジャック犯に反撃をする」とコメントしたのだった。同じ党でありながら事実上の分裂状態にあるため、どちらの派閥の候補者が大統領選に臨むかは穏便には決まらないだろう。James Jimenez報道官は、この対立は続き、最終的には最高裁判所で決定するだろうとコメントしている。
会には同政党の193名中78名が出席し、さらにはZoomでのライブ配信には少なくとも1万名の下院議員や観覧者が訪れた。10アカウントを用意し10,000名が参加できるように準備したが、会の開始前には席が埋まってしまうほどの人が閲覧に来たという。そのため、さらにZoomアカウントを作成し、待合室にいた人たちも参加できるように対応したという。
一方、ドゥテルテ大統領側は、自身が副大統領選に出馬することは決定しているが、依然といて大統領候補ははっきりと決まっていない。ドゥテルテ大統領の副大統領選出馬が決まった際に大統領選候補として名前が出たクリストファー・ゴー議員は、出馬に対して否定的な立場を依然として貫いている。また、サラ・ドゥテルテ=カルピオダバオ市長も、先日、2022年ダバオ市長選への出馬を考えていると発表している。
パッキャオ議員の大統領選出馬表明により、2022年のフィリピン大統領選にあらたな動きが生まれた。今後の展開に注目したい。