自然豊かなミンダナオ島から、新種の植物が発見された。この植物が発見されたダバオオリエンタル州ハミギタン山地野生生物保護区(Mt. Hamiguitan Range Wildlife Sanctuary: MHRWS)は、国連教育科学文化機関(UNESCO)の定める世界遺産にもなっている。
フィリピン国立博物館とミンダナオの大学「Central Mindanao University (CMU)」は、ダバオオリエンタル州ハミギタン山の生物保護区で新種の植物を見つけ、「Amylotheca cleofei Tandang, Galindon, & A.S.Rob」と命名した。この植物はオオバヤドリギ科のヤドリギの仲間である。環境天然資源省ダバオ支部(DENR-Davao)によると、新種の植物が見つかるのはフィリピンでは初めてであり、世界で5番目に見つかったヤドリギになるという。
ヤドリギは独特の繁殖の仕方を取る。ヤドリギになった実を鳥たちが食べ、糞として排出される。ヤドリギの種には粘着質があるため、種は木の枝に留まり、そこから大きくなっていく。そして、根を張った木や低いところにある木から水分や養分をもらい、大きくなっていくのだ。ヤドリギの名前の所以はここにあるといえる。
研究者は、森の中に未知の生物が他にも住んでいると考えている。ハミギタン山で初めて固有種が見つかったのは2019年のことだったため、2年経った今回で2種目というのはその期待を確かに感じさせる。
2014年6月に世界遺産となったハミギタン山の自然保護区には植物が963種、動物も440種確認されている。そのうち341種はフィリピンの固有種である。
世界遺産にも認められたハミギタン山から新種のヤドリギが見つかったことは、とても喜ばしいことだ。それと同時に、この貴重な自然をこれからも守っていかなければならないとも思う。