新型コロナウィルス感染拡大の影響によって、需要が落ち込むフィリピン航空業界で各社が生き残りをかけて様々な施策を実施している。ナショナルフラッグキャリアのフィリピン航空は、長引く都市封鎖の影響で激減している飛行機の利用者を獲得するべく、割引セールを実施すると自社のWEBサイトに掲載した。
同社の割引セールは、7月13日から19日まで、旅行期間は2020年8月1日から2021年5月31日となっている。国内線は388ペソ(片道)から、国際線は99ドル(往復)から販売される。マニラ‐日本(羽田、成田、名古屋、関西、福岡)は289ドル(往復)から、セブ‐日本(成田、名古屋、関西)も同様に289ドル(往復)から販売される。
LCC格安航空会社のセブパシフィック航空は、12日からフィリピン人海外労働者(OFW)の需要が多い、マニラ‐ドバイ便を再開した。国際線の再開は新型コロナで運休して以来初めてとなる。これ以外の国際線は、7月31日まで運航停止しており、8月以降順次再開が予定されている。
また、セブパシフィック航空においても飛行機の利用者や低迷する売上を獲得するため、フィリピン航空と同様に割引セールを実施するとしている。セール期間は2020年7月14日から19日まで、旅行期間は国内線が2020年8月15日から2021年1月31日、国際線が、2021年1月1日から2021年3月31日まで、販売価格は99ペソ(片道)からとなっている。
さらに同航空会社は9日(木)、自社のコスト削減を一層進めるため、新たに800人を解雇することを発表している。新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界各国が入国制限を実施していることから、早期の業績回復が見込めないと判断しての決定である。フィリピン航空あるいはセブパシフィック航空にしてもセール中の旅行期間設定を長めに設定し、著しく落ち込む収益を何とかして回復したいという必死の努力が伺える。