【News】ダバオ市、コロナ検査用「クイック診断テスト」の使用中止

サラ・ドゥテルテ市長

ダバオ市は、コロナウイルス感染者の検出に効果的でないとの判断から、「クイック診断キット」の使用を中止すると発表した。 これまでクイック診断テストは、渡航者が市外からダバオ市へ入る際に検査で使用されていた、

ダバオ市サラ・ドゥテルテ市長は、6月8日のラジオトーク時に、クイック診断テストはあまり役に立っておらず、使用する価値がないとの説明を行った。ドゥテルテ市長は「私たちは現在コミュニティの監視を強化している。クイック診断テストは保健所で使用されていたが、医師が使用の是非を決定していた」と述べた。

ダバオ地域内の自治体では、住民が他地域へ移動する際に、保健所又は保健省が認定した病院から発行される医療証明書を取得しなければならない。

今回のクイック診断テスト使用中止の決定は、現在までにダバオ市で使用された約20,000個の診断キットのうち、陽性反応を示した95キットのデータに基づいている。

クイック診断では、血液サンプルを採取して患者の抗体を測定する。次に、抗体が少ないと診断された場合は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)テストを通じてコロナウイルスの陽性陰性反応を検査する。

しかしダバオ保険省の報告によると、より正確な結果のでるPCRテストでは、陽性患者数がクイック診断の結果を大幅に下回っており精度が疑問視されていた。ダバオ保健省地域担当次長リベラ博士は、クイック診断で陽性であった95例について、コロナ陽性が判明した症例は35例のみであり、50例は陰性、10例は不明の結果であったと述べた。

クイック診断キットは多くの製薬会社が開発しているが、形状は市販の妊娠検査薬に近い。例としては、血液を採取してキットに付着させ、反応があると二本線、又は三本線が浮かび上がるタイプのものが一般的である。