ダバオ市や周辺地区の都市部で自宅の庭に菜園をつくる家庭が増加している。ダバオ市東部に隣接するパナボ市ではこのブームを助長するかたちで、今月から家庭菜園のコンテストが開催された。
このコンテストは「コロナウイルスに負けないグリーン生活」との名称で市が主催している。コンテストにはパナボ市民であれば誰でも参加でき、1位には10,000ペソ、2位7,000ペソ、3位5,000ペソの賞金が贈られる。市は参加者の家庭の庭につくられた菜園を訪問して評価し、7月中に入賞者を絞る。
フィリピン農業省は都市の土地面積の10〜15%は菜園(野菜園や果樹園)として使用することが可能であると報告している。農業省長官のウィリアム・ダー氏は、コロナウイルスが蔓延する中、マニラ首都圏やその他の地域に都市農業を導入し、各家庭の食料確保に貢献させる考えを明らかにした。
またダバオ市やパナボ市では近年、子供の栄養改善プログラムの一環として、家庭菜園の導入を推進してきた。ダバオ市社会福祉開発省(DSWD)の共同菜園プロジェクトでは、貧困家庭の健康を改善するために自宅の庭や共同地で作物を育てるよう、奨励している。
東南アジア地域農業研究センターのグレン・B・グレゴリオ博士は、先月ウェブセミナーで、「コロナウイルスの世界的パンデミックによる都市封鎖で逆に都市農業の機会が訪れた。市民は都市農業に興味を持っている。
小さい家庭菜園でも自分の食物を生産することができる」と述べた。また博士は「コロナウイルスが食品価格を引き上げただけでなく、市民の栄養状況を脅かしていることは残念だ」と付け加えた。