フィリピンのエンターテイメントの一つとしても知られるコックファイト(闘鶏)。参加者が育てた鶏同士を持ち寄り、賞金をめぐって激しいバトルを繰り広げるというものだ。また観客も、各バトルごとにどちらの鶏が勝利するかを予想し賭けをはる。
ダバオ市では、新型コロナウイルス(以下、Covid-19)の感染拡大を懸念し、早い時期から教会でのミサなど、不特定多数の集まる集会の自粛・禁止を発表していた。そのような状況の中、3月上旬から中旬にかけて、ダバオ市のマティーナ地区にある闘鶏場「New Davao Matina Gallera」にて、複数回に渡りコックファイトが開催され、大きな批判を呼んでいたが、1か月がたった今、その波紋がダバオ地方全体に広がっている。
当局の発表によると、ダバオ地方全体のCovid-19関連の死亡者は4月12日現在、13名となっているが、その内の5名が同闘鶏場に足を運んでいたことが明らかになっている。また、Davao del Sur、Davao del Norte、South Cotabato、North Cotabato、Maguindanao、Bukidnon地域で確認された19人の感染者が、同じく「New Davao Matina Gallera」へ訪れていたことが判明しており、同闘鶏場でクラスターが発生し、感染した人々が、各ダバオ地方に菌を持ち帰り拡散させている可能性が懸念されている。
当局は、すでにこれらの感染者の濃厚接触者の追跡を開始しているが、第一次接触だけでも427人の濃厚接触者が感染の危険にさらされているとしている。同闘鶏場をめぐるCovid-19の追跡調査の対象は、9000人から10000人に上ると予想されており、今後も注視が必要だろう。
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