フィリピン国家警察(Philippine National Police 以下、PNP)が国内各都市の犯罪率を発表した。
2018年1月から7月の1ヶ月の平均犯罪率は、ルソン島南部のナガ市が国内で最も高く、202.8%となっている。次いで、セブ島のマンダウエ市(169.49%)、パサイ市(141.84%)、イロイロ市(139.24%)、マカティ市(130.74%)となっている。
ダバオ市は、レイテ島西海岸のオルモック市、ミンダナオ島コタバト市、パラワン島プエリト・プリンセサ、パンパンガ州のアンヘルス市に次いで、5番目に犯罪率が低いと、PNPは報告している。
この犯罪率は、人口と、犯罪が起こる頻度をもとにだしている。これには、殺人、レイプ、誘拐といった重大な犯罪と共に、禁止事項や地元の条例の違反等の軽犯罪も含まれる。
またPNPの報告では、国内でダバオ市内でのレイプ件数が最も高いとされている。ダバオ市警察(Davao City Police 以下、DCPO)の署長である、アレクサンダー・タグム氏はこれに対し、家族の価値観、経済状況や社会的条件がレイプが起こる要因となっているとの調査結果を引き合いに出した。そして、市内での高いレイプ件数は、貧しいからだけではなく、教育不足や家族の価値観が起因していると話した。
DCPOの記録によると、2018年前半のダバオ市内でのレイプ件数は95件であり、昨年同時期の120件に比べて減少傾向にある。
氏は、被害者のほとんどが、機能不全家族の出身や、父親のいない、シングルマザーの家庭に育っている子供である。ほとんどのケースが安全であるはずの住居内で起こっており、加害者のほとんどが親戚や親しい人たちで、被害者の主な年齢層は12歳から17歳だと述べた。
DCPOは、幼稚園児から高校生を対象に、よいタッチと悪いタッチの違いの周知を目的としたプログラムを、昨年から各学校で展開しているとのこと。また、様々なメディアを通して女性や子供を守る法律の存在、またはそれに違反した場合は罰則が課せられること等を周知させる努力もしているとのこと。