【News】ダバオ地方の刑務所収容率が599%に達する

ダバオ市警察

ドゥテルテ大統領の就任後、フィリピン国内の刑務所の混雑ぶりが世界のニュースを賑わしているが、この度管理当局の発表により、最新のダバオ地方の刑務所の収容率が発表された。

ダバオ地方の平均受刑者収容率は599%と、設計人数をはるかに上回っている。ダバオ市単体でみると、設計収容人数421人に対して3,378人の受刑者を抱えており、収容率は実に802%に上っている。混雑の大きな要因となっているのは麻薬撲滅戦争で、実際に現在収容されている受刑者の大多数が麻薬に関係のある罪に問われている。さらに、裁判官の不足や遅い審理など裁判所の問題もあるようだ。

また、刑務所の混雑はダバオ地方に限らず国内全土が抱える問題となっており、刑務所のキャパシティ以外にも、受刑者数に対する看守数の確保も課題となっている。本来であれば、1人の看守に割り当てられるべき受刑者の数は7人であるべきだが、現在のフィリピンでは1人の看守に対して66人の受刑者が割り当てられている状態だ。

さらに、受刑者の飽和で起こる問題はこれだけではなく、刑務所の混雑は健康衛生問題や収容者の団結の原因ともなっていると管理当局は指摘する。実際にマニラ首都圏のNew Bilibid刑務所では受刑者1,200人が食中毒(下痢)になり、死者がでた。その他、カラバルゾン地域(カビテ州、ラグナ州、バタンガス州、リサール州、ケソン州)の複数の刑務所では、今年の1月~5月にかけて刑務所内の混雑を受けて受刑者30人が高血圧や呼吸器疾患により死亡している。

ドゥテルテ大統領の就任後、フィリピンの犯罪件数自体は30%減少しているが、今後は犯罪を減らす努力の継続はもちろんのこと、犯罪者を受け入れる体制を整えていくことも早急に進めていかなくてはいけないようだ。