フィリピンのバナナ産業は、日本と韓国において、バナナの関税の撤廃や関税率の引き下げを実現することによって、世界市場において、対中南米の競争力を維持できるとし、関税の撤廃や関税率引き下げの交渉を希望していることが明らかになった。
フィリピンバナナ生産者・輸出業者協会の(PBGEA:Pilipino Banana Growers and Exporters Association)のアンティグ氏は、「日本と韓国の既存関税の引き下げや撤廃の交渉が、フィリピンのバナナを、より競争力のあるものにする」と述べ、「関税が撤廃されれば、日本人が消費するバナナの量が増える可能性がある。韓国の消費者においても同様だろう」と話した。
また、氏は、「交渉がうまくいき、これまでに失った市場のシェアを取り戻すことができれば、フィリピン国内に、さらに1万〜1万5千ヘクタールの農地拡大をすることができるだろう」と付け加えた。同様に、PBGEAの会長であるバローリア氏は、バナナ産業の現在の競争状況は、「これまでのような企業対企業ではなく、代わりに国と国である」と話し、アンティグ氏の声明を支持した。
ダバオ地方などでバナナ農園を運営するAnflocorグループの最高経営責任者・バロリア氏は、「中南米は、すでに関税引き下げのために、韓国と政府間の交渉を行っており、同様に日本ともそうしていくだろう」と話し、「関税の削減や廃止が実現すれば、フィリピンの生産者はより高い価格で取引を行うことができ、フィリピンのバナナ産業の発展を促進すると考えている」と述べた。
PBGEA総会で公表されたデータによると、現在の日本のバナナの関税率は、4月から9月にかけては8.2%、10月から3月は18.2% である。一方、韓国のバナナ関税率は30%。フィリピンの両国のバナナに対する関税の支払い額は、年間1億7880万ドルと高く、日本へは9630万ドル、韓国へは8250万ドルの関税を払っている。
パイナップルに関しては、年間4020万ドルの関税を支払っており、日本へ2050万ドル、韓国へ1970万ドルを支払っているとのこと。