16日、大統領広報官アベラ氏は、「16日早朝、マラウィ市で、オマール・マウテとイスニロン・ハピロンの二人を殺害したことを政府が確認した」と発表した。 ハピロンとマウテは、フィリピン軍がマラウィ市内で戦闘を行うマウテ・グループの拠点を襲撃した際、死亡したとのこと。
軍は、事前に救出した人質から、テロリストがいる正確な場所についての情報を得た後、 作戦を練り、地上攻撃でハピロンとマウテを殺害したと明らかにしている。ハピロン500万ドル、とマウテには500万ペソ懸賞金が掛けられており、どちらも有資格者が受け取ることになるようだ。
マウテ兄弟のオマールとアブドラは、イスラム系過激派組織ISに忠誠を誓うマウテ・グループを率いており、5月23日に始まったマラウィ市攻撃の実行犯である。同じく、元アブサヤフの副リーダーであった イスニロン・ハピロンもマウテ兄弟と協力し、マラウィの戦闘を率いていた。
マウテ、ハピロンの両者は、フィリピン内での地位の確立と共に、ISの 東南アジアにおける足場を確立しようとしていたと考えられている。マウテ兄弟の一人、アブドラ・マウテについては、今年9月、死亡が確認された旨を大統領府が発表している。
フィリピン国防相のロレンツァーナ氏は、「両テロリストリーダーが死亡したことにより、マラウィの戦闘を 終結させることと、ISを根絶することに大いに近づいた」と話し、「マラウィ市での戦闘終了を1週間以内に発表し、その後、大統領による戒厳令の解除を行うかどうかを見極める為に、ミンダナオ全体を調査するだろう」と話した。
また、アベラ氏によると、「米軍の訓練を受けた軍と警察の指揮官たちが、 テロリストの拠点に行き、新たな攻撃を開始。軍は、進行中の作戦の中で、テロリストによって人質にされていた17人(幼児や女性を含む)を救助することに成功した」と伝えている。
「フィリピン軍が残りのテロリストを完全に一掃し、すべての施設で、爆薬やその他の仕掛けられた罠を取り除くことができれば、マラウイ戦闘の終結を発表できる」と述べ、「戦いが終わり次第、私たちはマラウイ市の再建と人々のケアに向けて最大の努力を払う」 と付け加えた。
しかしながら、テロリストグループのリーダー格と考えられているマレーシア人のママッドはまだ生存しており、軍は、ISがシリアとイラクで敗戦に追い込まれている状況で、この地域のテロリストに資金を提供し、マラウィの戦闘をバックアップすることによって、さらに影響を与え、 ISグループが東南アジアで足場を得ていく可能性があるということも懸念している。
米軍とオーストラリア軍は、マラウイ市のフィリピン軍を援護する為に、現在、監視航空機を配備しているとのことである。