【News】マラウィの避難民への救援物資が不足

ナスィフ・ベナシンさんは、彼とその家族のためにNGOから届いた2箱の救援物資の箱を開けるとすぐに、それらの物資を売りにだした。マラウィ市ビト・ブアディ・イトワ村での出来事である。

生後3週間の赤ん坊を抱えた彼の妻と、15歳になる息子もそれら救援物資を買ってくれないかと、現地を訪れているメディアの人たちに懇願した。「赤ん坊のミルクを買うために、これら物資の半分を売っているのです。他の何かのために資金を調達しているわけではありません」と彼は話した。

ベナシンさんには仕事がなく、救援物資を売ることは大変心苦しいが、それ以外に方法がないという。彼の妻が授乳できないこともあり、「私は赤ん坊が必要とするものを与えなければならない」と話す。

先週、7,000世帯がNGO団体であるIslamic Relief Philippines(以下、IRP)より、ラマダン食料詰合せを受け取った。これらは、世帯人数により配布される量が決められており、ベナシンさんとその家族は、米15キロ、ハラル認証の塩500グラム、ハラル認証の緑豆500グラム、調理用油2リットル、ハラル認証のイワシとコーンビーフの缶詰が各3缶入った箱を2箱受け取った。

戦争が始まる前まではいい暮らしだったと、ベナシンさんは振り返る。彼は、マニラで上の息子2人と共に工事現場で働き、その稼ぎを仕送りしていた。戦争が始まったと聞き、家族が暮らしていたマリナウト村に急いで戻った。マリナウト村は他23の村と同様、マラウィの包囲の際にグラウンド・ゼロと呼ばれ、紛争の中心地となり、不発弾が残っている可能性から今でも人の出入りが禁止されている。

彼の一番上の息子は現在、マニラの携帯電話ショップで働いており、送金をしてくれているが、それだけでは家族を養っていくのには十分ではない。

IRPのコーディネーターによると、今回IRPが配布した食料はラマダンの間の、日の出前や日没後の家族の食事に十分な量を供給しているという。その目的は、食べ物の心配をせずに、祈りに集中してほしいとのことだ。

多くの避難民は様々な理由から仕事が見つからない。スキル不足もそうだが、単純に仕事がないのである。人々が以前の生活に戻れるまでには、長い時間が必要となるであろう。