【News】新人民軍、捕虜の警察官を7ヵ月ぶりに解放

Task Force

新人民軍( New People’s Army 以下、NPA)が、7か月前に拘束した警察官をようやく解放した。

7月27日、フィリピン国家警察ロハス地方自治体所属のメナルド・クイ警察官は、ダバオ市と北コタバトマグペット町との境界にある村で解放された。クイ氏は、昨年の12月28日、北コタバトロハス地方自治体バランガイポブラシオンにて人質としてNPAに拉致された。クイ氏の解放には、司教、国や地元の政府、平和擁護者グループ、赤十字国際委員会、人民平和ネットワークの関係者らが立ち会い、クイ氏の兄が氏を迎えに来ていた。

今年の1月には、NPA南ミンダナオ地方作戦司令部が、NPAはクイ氏を丁重に遇しているとのビデオをリリースした。またビデオ内で氏は、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領に共産主義者との和平交渉を再開するよう懇願した。さらにフィリピン軍には、自身の平和解放のためにも、現在行われている作戦を一時停止するよう依頼した。

NPAのカ・トリス広報担当は、クイ氏の拘束中に、氏の妻が亡くなったことを氏に知らせ、家族と連絡も取らせたと述べた。NPAは、氏を早期に開放することもできたが、軍や警察の作戦の一時停止がなされなかったことから、それは見送られたとも述べた。

解放セレモニーにて氏は、NPAの氏への待遇に感謝の意を述べ、「NPAと共に過ごした209日間、彼らは私に大変よくしてくれました。暴力をふるわれたりすることもなく、食事や服など、全てを提供してくれました。また私のために水を取ってきてくれたり、服も洗ってくれました。私のいた部隊の人たち、そして世話をしてくれた医師にも感謝します」と述べた。

また氏は、政府と民族民主戦線(National Democratic Front of the Philippines)との和平交渉再開にも言及した。「ミンダナオ、そして我々の国の平和について話し合いましょう。それにより死が解決策ではなくなります」。

NPA側は、地元政府とではなく、国政府との交渉を望んでいる。先週の初めには、東ダバオ州のマティ市にてフィリピン軍のメンバーがNPAに人質として拉致された。