ダバオ市のサラ・ドゥテルテ・カルピオ市長は、9月12日に行われた方針演説の中で、「我々は現在、地元経済の成長と発展のために努めているが、ダバオ市民の健康福祉は最優先事項の一つだ」と明言した。
HIV感染者が増え続けている中で、ダバオ市は若い世代がHIV検査を受けるよう強く推し進めている。ダバオ市はHIV感染者数が常に国のトップ5に入っており、1984年1月から2016年2月までは国内最多であった。今年の1月から6月だけで市内で524人がHIVに感染していると診断され、その中で259人、もしくは49%の人だけが治療を受けている。
市長は、「市政府は様々なヘルスプログラムが進めており、その中の一つが、Reproductive Health & Wellness Centre (RHWC)の設立だ」と話した。2016年に設立されたこの施設は、HIVやエイズを含む性行為感染症を扱う。RHWCはすでに国内で、HIV感染者とエイズ患者のための治療の中心となる施設として定着している。RHWCの設立は、市内に二つ目のHIV・エイズ治療施設ができたことになる。もう一つは、Southern Philippine Medical Centerである。
今年の3月にはダバオ市はRHWCのサポートのもと、“#Save Sexy in Davao”という、HIV・エイズについての啓蒙活動を行い、市保険局は国の支援のもと、RHWCとともに性と生殖に関する健康とHIVに取り組むことに、より積極的になっている。また、病院がHIV検査にウェスタンブロットを用いている中、RHWCはHIV検査アルゴリズム(rHIVda)を用いるモデル施設に選ばれた。rHIVdaでは、これまで3週間以上かかっていた検査結果が出るまでの過程を大幅に短縮することができる。
ダバオ市は、大学や高校、市民にHIVや性と生殖に関する健康について教える、情報と教育キャンペーンを続けて行っている。RHWCはHIV患者の治療と平行して、人々にHIV検査を受けるよう強く勧めており、早期発見の場合の治療法は常に用意されていると述べている。