フィリピン国家警察は、30日、ミンダナオ島西部オサミス市で12人が死亡、多数の容疑者が逮捕されたことを報じた。地元警察の担当者によると、30日早朝に、オサミス市のレイナルド・パロジノグ市長、ノヴァ・パロジノグ副市長、オクタビオ・パロジノグ理事らに対し、銃器不法所持の容疑で逮捕令状が出され、警察が拘束に向かったところ、市長の警備チームが反撃し発砲、銃撃になったとのことである。
30日正午の時点で死亡したのは、レイナルド・パロジノグ市長、妻スーザン、オクタビオ・パロジノグ理事を含む12人。ノヴァ・パロジノグ副市長容疑者と他数人は逮捕され、現在オサミス市警察に拘束されている。ノヴァ副市長は、ドゥテルテ政権の不法薬物に関連している容疑者リストに名前が含まれており、警察は、今回の逮捕や銃撃は、必要な手続きを踏んだ適切なものだと話している。
また、警察は、ノヴァ副市長の家宅捜索でライフル銃1丁、覚せい剤500グラム、現金140万ペソを押収したと述べているが、ノヴァ副市長はでっち上げだと反論。一方で、死亡した市長は、逮捕の際無抵抗だったという話もある。先日の施政方針演説でもあった通り、ドゥテルテ政権は不法薬物撲滅に向けて取締り強化を明言し今回の逮捕もその一環だったと考えられるが、強行な取締りに対しまた内外で批判が高まりそうである。