ドゥテルテ大統領が、24日に行われた施政方針演説の中で、「共産主義反政府勢力によって運営されている先住民族の学校を軍に攻撃させる」と発言した件について、国際的な人権団体ヒューマンライツウォッチ(HRW)は、昨日26日、声明を撤回するよう求めた。
ドゥテルテ大統領は、施政方針演説の中で、「一部の学校は教育省の認可なく、反政府組織の先住民族によって運営されており、子供達に対し、反政府の意識を植え付けている」と述べ、国家が反政府組織と戦っていく姿勢であることを説明する中で、「それらの学校を空軍を使って爆破させる」と述べている。
HRWフィリピンの担当者は、「学校への攻撃を呼びかけることによってドゥテルテ大統領は軍隊に戦争犯罪を犯す指示しているようなものだ。戦争の法律でもある国際人道法は、軍事目的で使用されていない限り、学校や他の民間組織に対する攻撃を禁止している。また、学生や教師を含む民間人を意図的に攻撃することも、戦争犯罪である」と話し、発言の撤回を求めている。
また、先住民族ルーマドの指導者と学生らも「大統領、私たちの話に耳を傾けてください」というプレートを掲げ記者会見を行い、大統領の発言に脅威を感じていることや、先住民族の学校の仕組みなどを説明、大統領の理解と、攻撃を行わないことを嘆願している。
一方で、ダバオ市の警察関係者は、「ドゥテルテ大統領の発言は、単に大袈裟に話したもので文字通り受け止めるべきではない」と述べ、実際にいくつかの学校が無認可で運営されており、校内で問題が起こっていたことを説明、今後関係者が対応を行っていくと話し、ドゥテルテ大統領の発言を擁護した。