ダバオ市議会は、市内で発生したタクシー運転手による女子学生へのセクシュアル・ハラスメント事件を強く非難した。議員らは、この事件を公共空間において女性や子供が直面しているリスクを浮き彫りにした深刻な警鐘であると捉えている。
ダバオ市の誇りと「安全な空間」への義務
市民・政治・人権委員会の委員長を務めるパメラ・リブラド・モラタ市議は、2026年1月27日の市議会での特権演説において、今回の行為は単なる事件ではなく犯罪であると強調した。
リブラド氏は、ダバオ市が2005年に「Galing Pook Award:ガリング・プーク賞(優秀地方自治賞)」を受賞した、ジェンダーに配慮した施策の先駆者であることを強調した。
「この栄誉は、『女性と子供を保護する』という我々の公約を断固として、かつ一貫して実行する義務を課すものである」と述べた。
また、女性・子供・家族関係委員会の委員長であるリッチリン・フストル・バギロド市議もこれに同調し、多くの女子学生が公共の場でハラスメントに直面しているという「広範かつ痛ましい現実」を指摘した。
バギロド氏は、「学校や自宅への帰路で、子供が不安や侮辱を感じるようなことがあってはならない。制服が虐待を誘発する理由になることは決してない。このような行為は容認できず、違法であり、社会の尊厳を深く損なうものである」と訴えた。
「バワル・バストス法」の適用と当局の対応
リブラド氏は、今回の運転手の行為が、通称「Bawal Bastos Law:バワル・バストス法(公共空間での不適切行為禁止)」として知られる 共和国法第11313号 第4条 に該当すると指摘した。
事件の詳細は、被害者がSNSに投稿した動画によって明らかになった。
投稿によると、女子学生が学校外からタクシーに乗車した際、運転手は当初世間話をしていたが、次第に彼女の体型について言及したり、プライベートな質問を繰り返したりするようになった。最終的には電話番号を要求し、性的な関係を迫ったという。
現在、タロモ警察署の女性・子供保護デスクが被害者の支援にあたっている。また、陸上交通許認可規制委員会(以下LTFRB)ダバオ支部は、当該運転手および運行事業者に対して「原因明示命令」を発令した。
今後の対策と監視体制の強化
リブラド市議は、市当局に対し以下の具体的な対応を求めている:
- 刑事告訴の推進:バワル・バストス法に基づき、運転手を厳格に処罰すること。
- 地方条例の整備:同法に基づき、60日以内に地方条例を可決し、学校での啓発活動やホットラインの設置を行うこと。
- 心理社会的支援:統合ジェンダー開発部(以下IGDD)を通じ、被害者とその家族へカウンセリング等を提供すること。
さらに、LTFRBおよび陸上輸送庁(LTO:Land Transportation Office)に対し、タクシー運転手の採用基準の厳格化や、ジェンダー感受性や児童保護に関する研修の義務化を検討するよう呼びかけた。
リブラド氏の特権演説は第一読会で承認され、適切な措置を講じるため女性・子供委員会へと付託された。






