ダバオ地方においての人身取引(Trafficking in person 以下、TIP)の件数が、2017年は96件と、2016年の132件より27.2%減少したことがわかった。
人身取引のための、社会福祉開発省リージョン11(以下、DSWD11)回復と社会復帰プログラムの担当者である、カバネロ・ナタド氏は、最も一般的なTIPは貧困による性的搾取だと述べた。
DSWD11の2017年の記録によると、0~6歳(1件)、7~12歳(17件)、13~17歳(18件)、18~35歳(49件)、36~59歳(10件)、そして死亡のケースが1件となっている。この内のほとんどがダバオ市内におり56人、続いてダバオ州(11人)、南ダバオ州(3人)、ダバオオクシデンタル州(6人)、コンポステラバレー州(10人)、ジェネラルサントス市(1人)などとなっている。また、被害の状況は性的搾取の42人に続いて強制労働が30人、不法就労が10人と続いている。
DSWD11 は、これらのケースに介入し、社会復帰できるよう必要な支援をしている。就職斡旋、家に帰るための移動手段の提供、教育支援、職業訓練、医療支援、一時収容施設の提供、地元政府やNGOへの委託等のサービスを提供している。
一方で、2018年第一四半期では、21のTIPケースがあり、内3人が男性で18人が女性である。カバネロ・ナタド氏は、先日、性的搾取が横行している、ダバオ市内カムスストリートとセントラルバンク周辺にて、12人を救出したことを明らかにした。最も若い被害者は、14歳であったとのこと。
これら被害者のうち女性たちは、市内マア地区にあるDSWDの女性専用施設に送られ、男性はダバオ市社会福祉開発局の施設へと送られた。救助された被害者たちは、リハビリをしながら技能トレーニングや、教育支援、再び人身取引の被害者にならないための、法律や啓蒙プログラムなどを受けている。被害者たちが社会復帰するまでには少なくとも6か月のリハビリを受けることになる。