
フィリピンワシ財団(以下PEF)は、創立38周年を迎えるこの時期に、新たなヒナ「チック31号」の誕生を迎えた。ヒナは2025年1月16日、ダバオ市トリル地区にある国立鳥類繁殖保護区(以下NBBS)で孵化した。 PEFのデニス・サルバドール事務局長は、「今回、チック31号が健康に成長できるよう万全の体制を整えています」と述べた。
NBBSの施設管理者であるドミンゴ・タデナ氏によると、チック31号はフィリピンワシのメス「ダキラ」と、精液提供者であるフィリピンワシのメス「ダイナ」の2個目の卵から孵化したという。施設の設備が十分でない中でも、成功裏に孵化させることができたのは、NBBSの気候がワシの繁殖に適しているためだと説明した。
チック30号は「ライリー」と名付けられ、イーグル・セメント社によって飼育されていた。同ヒナは、PEFの保護活動の成果を示す初の完全自然孵化の記録を打ち立てたものの、孵化からわずか2週間で感染症により死亡するという悲劇に見舞われた。 一方で、サルバドール事務局長は、NBBSへのワシの移転が繁殖率の向上に大きく貢献したことを強調した。
「通常、鳥を新しい環境に移動させると適応に時間がかかり、繁殖に影響が出るものですが、NBBSではすでに9か月で4個の卵を産むという驚異的な成果を上げています」と語った。
1988年にトリル地区バラカタンからマラゴスのPECにワシを移転した際は、最初のヒナ「パガーサ」が生まれるまで4年を要した。しかし、NBBSではわずか数か月で複数の孵化が確認されており、人工授精の成功も要因の一つとされている。
サルバドール氏は、新たな世代の保護活動家を育成することの重要性を強調し、自らスタッフの指導にあたっている。 また、チック31号には適切な栄養を与え、定期的に日光浴をさせる計画であると述べた。ワシやヒナへの餌として鳥類は与えず、哺乳類のみを供給する方針を採用している。
将来的には、成鳥ワシの指導を受けながら成長し、最終的には野生復帰を目指すという。 現在、野生のフィリピンワシは400羽未満とされており、今回の孵化は保護・繁殖活動にとって大きな前進となる。この出来事を記念し、PEFはワシの保護活動に貢献するパートナーへの感謝を表明した。
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