フィリピンで日本食レストランをチェーン展開する「呑ん気」は、本物の日本料理を提供する居酒屋レストランとして人気になり、流行りすたれの激しいレストラン業界で14年間もの間、人気を保ちつつ営業を続けている。
セブ、ダバオ、イロイロシティで「居酒屋 呑ん気」を営むオーナーは、ボホール出身のフィリピン人。彼女の幼い頃の夢は、貧しい学生たちにきちんとしたペンと紙を与えることだったという。オーナーのマリア・リガヤ・アロン・マチダ(あだ名:ギンギン)氏は、亡くなったご主人であるマチダ・アキラ氏と共に、14年前に「居酒屋 吞ん気」を開店した。
アキラ氏に癌が見つかり、レストランビジネスのために、日本人の投資家を探し、2004年セブに最初の店舗を開店した。現在「居酒屋 吞ん気」は、ダバオを含めて、ヴィサヤス島とミンダナオ島の様々な場所に支店をもつ人気店となった。
では、成功の理由とは?
ギンギン氏は、病気で闘っていたご主人と子供の世話をしながら、レストランの管理を行うという生活を送っていた。しかし、ギンギン氏は、そんな大変な生活を送りながらも、ビジネスで得たお金の一部を、地元の公立高校に通う貧しい家庭の子供たちに、ペンや紙などの学用品を与えるために使用している。ギンギン氏の昔からの夢であった「もしもお金をたくさん稼げるようになったら、学校に支援活動を行う」というのを実践しているのだ。
さらに「居酒屋 吞ん気」の社員によると、ギンギン氏は大変気前のいい存在で、その姿勢に今まで多くの社員がギンギン氏と共に会社を前向きに運営できていると語る。ギンギン氏にとって、会社成功の秘訣は、単にお金を儲けたいという思いではなく、社員や、顧客、また貧しい家族の子供の笑顔をみたいというその心意気そのものなのかもしれない。