保健省ダバオ市事務所(以下CHO)栄養課はダバオ市農業部(以下CAO)と協力し、各世帯が家庭菜園を作れるよう、種子を各バランガイ(最小行政区)に配布した。狭いスペースでもコンテナを使って栽培できる「フードガーデン」の市内の全ての家庭での実施が奨励されているという。
CHO栄養課のエリザベス・バンソン課長は、7月13日に開催されたI-Speakメディアフォーラムにて、「我々の栄養担当者は、栄養月間の活動の一環として、CAOと提携した。全てのバランガイに種を配り、植え方を指導している」と語った。
バンソン氏によると、家庭菜園は、栄養失調や発育阻害(年齢、身長の割に体重が未発達)を防ぐのに役立つ。現在のデータでは、ダバオ市での消耗症(身長、体重に対する急性の栄養不足)の割合は1%未満である。しかし、発育阻害の割合は3%を超える。この割合は国全体と比較すると低いが、バンソン氏らの目標は発育阻害などを完全に撲滅することである。
発育阻害が多い上位のバランガイは、上から、マリログ地区バランガイ・グミタン、パキバト地区バランガイ・サラパワン、同地区バランガイ・タパック、マリログ地区バランガイ・マランバ、同地区バランガイ・ダラグルモット、同地区バランガイ・ダトゥサルマイ、パキバト地区バランガイ・パンダイタン、ドゥグボク地区バランガイ・ニューカルメン、マリログ地区バランガイ・バガニハン、同地区バランガイ・マグサイサイである。
バンソン氏は、発育阻害の要因は、親の情報不足と子育ての方法などが主なものだと語る。これに対処するため、CHOは女性の出産前相談を継続し、子どもの成長の初期段階における適切な食物摂取と母乳育児の重要性を伝えるよう働きかけている。「我々の地区の保健センターとバランガイの保健センターは、出生前の母子のために開かれている。子どもが生まれて1,000日間は、全ての妊婦、全ての女性に注意を払うつもりだ」とのことだ。
ダバオ地方での母子の死亡率は、2014年から17年にかけて著しく減少した。一方で、生まれた子どもが健康に成長できない例もある。バンソン氏の発言から察するに、適切な情報と育て方の改善で発育阻害はかなり予防できるようだ。家庭菜園の広まりとともに栄養状態が改善することに期待したい。