2021年9月8日(水)、デルタ株の感染拡大で最も厳しい強化されたコミュニティ隔離(ECQ)下に置かれていたダバオオリエンタル州は新規感染者数が落ち着いてきたとして国の新型コロナ対策チームであるIATFが9月末まで隔離封鎖措置を2段階引き下げ一般的なコミュニティ隔離(GCQ)とすることを決定した。
同州の新型コロナ対策チームは、州内の新規感染者数、重症化数、死亡数、病院の受け入れ能力などから、最も厳しい強化されたコミュニティ隔離(ECQ)を9月21日まで継続するよう国に訴えていたが、国は封鎖隔離措置を引き下げることを決定したため、これに従うとコメントした。
同州のネルソン知事は、緊急に議会を招集し、同州の現状を考慮すると最も厳しい強化されたコミュニティ隔離(ECQ)の継続を求めることが妥当という決議案を全会一致で可決し、国の新型コロナ対策チームであるIATFにECQ継続を要請していたが、受け入れられなかった。
ダバオオリエンタル州は規制が緩和され一般的なコミュニティ隔離(GCQ)と指定されても夜8時から翌朝5時までの夜間外出禁止令、酒類販売提供禁止令、イベント及び集会開催の制限を実施し、エッセンシャルワーカー以外の入州も制限したいと述べている。
特に懸念とされているのは、デルタ株の感染拡大でこの三カ月間で新規感染者数は286%増加、陽性率は14%から75.2%に急増し、さらに死亡率が2.8%と全国平均1.7%の二倍近くになっていることで、同州の新型コロナ対策チームはこの状況が継続すると医療崩壊が起こりかねないと危惧している。
【コラム】なぜフィリピン人は「規律」を求めるのか?