2021年9月15日(水)、教育省(DepEd)ダバオ地方支部は、2021年-2022年度においてダバオ地方の9つの私立学校が長引く隔離封鎖措置によって開校継続を断念する方向で調整していると公表した。フィリピンの学校は2020年3月のパンデミック以降、未だに対面での授業形式が許されておらず、オンライン中心で授業を行っているが、山間部や経済的に困窮している家庭ではインターネット環境等が整っておらず、課題も多い。
教育省(DepEd)ダバオ地方支部は地元紙の取材に対し、同地方の9つの私立学校については、既に開校を断念する旨の報告を受けているが、各学校の理事会及び評議会の最終決議を待っている状態で、本省としては各校の正式な決議後に手続き進めるとしている。また、正式な閉校手続きが進められていないため、各学校の名称公表については差し控えたいとした。
教育省(DepEd)ダバオ地方支部の報告によると、2020年-2021年度においてパンデミック以降長引く都市封鎖や隔離措置の影響で経済的に影響を受けた47の私立学校が一時的に運営を停止する意向を示しており、親の失業や収入減による影響で私学への履修登録者は軒並み減少しているという。また、ダバオ市内で最多の児童生徒数を誇る私立学校のひとつであるHoly Cross of Davao College校も昨年に大学以外の初等中等部の閉鎖を決定し、今年度は開校していない。
2021年9月15日時点で、公立・私立問わず、ダバオ地方で履修登録をしている児童生徒は1,285,891名で昨年の1,289,331名より若干減少している。1,285,891名のうち、963,986名が公立学校への履修登録を行っており、私立学校への履修登録数は82,905名に留まっている状態である。フィリピン政府は今年度も対面での授業再開を認めておらず、引き続きオンライン、遠隔教育を中心に授業を進めるとしているが、対面での授業再開については全く目途がたっていない状態で、私立学校としては厳しい経営環境が続きそうである。