アポ山に捨てられたゴミの数々、さらには薬物や破壊された岩・・・、この状態を見た人たちは、何を思っただろうか。その後、 保護地区運営委員会(Protected Areas Management Board:PAMB) は会議の中で、アポ山を今後も人々に解放するか決めることにした。
2月23日、PAMBは、アポ山国立公園(MANP)を緊急事態宣言中に閉鎖することを見送る決断をした。会議の参加者25名の過半数が見送りに賛成し、全体のうち8名が反対したという。
このような話し合いに至った経緯としては、2月11~14日にモニタリングチームが行ったアポ山の調査が挙げられる。調査の結果、多数のごみが捨てられていただけでなく、薬物を使用した痕跡や、岩が砕かれた跡が見つかっている。国立公園であるアポ山で、このような行為を看過できなかったことが理由である。
今回は閉鎖しないという決定に至ったが、マナーの悪さを改善しようという計画が既に動いている。まず、トレッキングやキャンプをおこなう際のルールを明らかにすることを計画しているという。ルールに関しては、今まで曖昧な部分もあったという。「このルールは、トレッキングや登山をおこなう人たちが守らなければならない、もっと厳しいものになる」と、担当者は語っている。
さらに、今回のルール厳格化を推進する運動や、現状復帰するための運動の加速化、登山道やキャンプ施設のマネジメント力向上などを含んだアクションプランを作成しているという。加えて、キャンプ場や登山道の十分なスペース確保、道が分かりやすくなるような記号を含んだ看板、パトロール活動の強化なども計画されているという。
フィリピンの大切な山「アポ山」を守るため、PAMBは活動を加速化させている。