フィリピン統計局ダバオ支部は、ダバオ地方における2021年1月のインフレ率を公表した。公表されたデータによると、同地方の1月のインフレ率は1.9%と2020年12月の1.3%から上昇傾向に転じた。しかしながら、前年同月2020年1月の2.2%よりは減少している。
同局ダバオ支部のデータでは、ダバオ地方の中でもダバオオリエンタル州が最もインフレ率が高く3%で20年12月の1.7%から上昇している。続いてダバオデル・ノーテ州は2.8%となり、20年12月の2.4%からこちらも若干上昇傾向という結果になった。また、ダバオデルスル州は12月の1.2%から1.6%に、ダバオデオロ州は1%と最も低い数値になっているがこちらも12月の0.3%から上昇している。
全体的な上昇の主な原因は、食品及び飲料水の指数が20年12月の0.3%から1.5%に上昇したことが影響しているとされ、特にダバオ地域内でASF(アフリカ豚熱)が確認されたことによる食肉品の高騰がインフレ率を20年12月の6.4%から21年1月の11.5%へと2倍近くに跳ね上がらせたことが大きいとされた。
養豚業者らで作る団体の代表は、ASF(アフリカ豚熱)がダバオ地域内で確認されてたことで、出荷できる量が減少し、豚肉の値段が高騰していると述べている。またミンダナオ島全体で見れば、ASF(アフリカ豚熱)の流行で既に通常の供給量に比べ30~40%も落ち込みを見せているということである。
食品関係で言えば、青果類のインフレ率は4.7%、12月の2.7%に比べて上昇しており、果実類のインフレ率は3.9%で12月の1.2%からこちらも上昇傾向となった。その他、飲食店及びその他のサービスで2.2%、健康関連で2.3%、水道・ガス・電気で2.3%、その他の燃料で2.4%といずれも上昇傾向となっている。