澤村信哉(さわむら しんや)
1976年生まれ、孤児院HOJ副院長。横浜国立大学卒業。
1999-2006年はフィリピン、ミンダナオ島にて、2006-2008年はブルガリア共和国ルセ市にて日本語教師として働き、教科書作成や教員育成にも注力。2008年からフィリピンに戻り、児童養護施設ハウスオブジョイの運営に携わる。現在は約20人のこどもたちと一緒に暮しながら、こどもの自立支援や就学支援のためのプロジェクトを手掛けている。
特技は20種類以上の楽器演奏と、主たる収入源でもある似顔絵描き。ダバオッチ創設者ハセガワが初めてダバオを訪問した2005年に面倒をみたのは実は私である。
これまでフィリピンの田舎に伝わる「おまじない」や「妖怪」の紹介をしてきましたが、 今度はこちらの民間医療、主に薬草として使われている植物を紹介します。前もって断っておきますが、これは「現地の文化を紹介するもの」であって、 一般的な医療を否定し、民間医療を勧めるものではありませんので、そういった誤解のないように、そういった目的での引用などはされないようにお願いします。
さて、前置きが長くなりましたが、さっそくいきましょう。まずはこちら、パニヤワン。タガログ語ではマカブハイ、「命の草」的な名のついた植物です。英語名はなんと「ヘブンリー・エリクサー」。ずいぶんと強気な名前をつけたものです。(笑)ハート型の葉っぱが目印で、イボイボのついた蔦で塀やフェンス、他の木などに絡みついていることが多いです。
地域や世代によって「熱さまし」「傷に効く」「虫刺されに効く」「避妊薬」「シラミ避け」「下痢や腹痛に効く」などといろんな説がありますが、私が住んでいる地域では「痛み止め」として使われており、主に歯痛の時に使われています。使い方は簡単、お湯を沸かし、そこにイボのついた蔦を絞って汁を入れ、飲むだけです。味はものすごく苦く、なるほど、これは効きそうだなという感じです。近所のこどもが歯痛で泣いている時などは、実際にこれを飲ませて泣き止んでいるのをよく見かけます。
ちなみに、飲んでも効かなかった場合は、汁を目薬のように目にさすんだそうで。効果てきめんなんだそうですが、それは、目がしみて歯痛どころではなくなるだけでは…という気もします。(笑)