ダバオの海域で泳いでいるジンベイザメの子供の様子を撮影した動画がフェイスブックに投稿され、3000件近くのシェアを獲得している。投稿したのはAlejandro C. Romo Jr.氏。動画は、サマル島に向かう途中で同氏によって撮影されたものだ。
ジンベイザメは、サメや軟骨魚類としてのみならず、すべての魚類の中で現生最大の種であるとされており、熱帯・亜熱帯・温帯の表層海域に広く分布し、動きは緩慢で、人にとって危険性の低いサメとして知られている。フィリピン国内では、セブ島南端部のオスロブが、ジンベイザメと遊泳できるスポットとして世界中の観光客に知られている。
ダバオ市を拠点とするアメリカの海洋生物学者Darrell Blatchley氏によると、ダバオは多くの海洋生物の移動経路になっており、ジンベイザメを発見するのは珍しいことではないという。しかし近年問題となっている不適切な廃棄物処理が、これらの海洋生物にとって脅威となると説明している。昨年のほぼ同時期には、北ダバオ州タグム市バランガイ・カブガンの海岸線で、プラスチックの摂取により死亡したジンベイザメが発見されている他、ジンベイザメ以外の生物も同様の死因により、先月海岸に打ち上げられている。
世界のジンベイザメの生息数は減少を続けており、2016年以降「絶滅危惧種」として指定され、IUCNのレッドリストに入っている。今回のような動画クリップをきっかけに、不適切な廃棄物処理に関して水生哺乳類が直面している状況を知るきっかけになることに期待したい。
今回話題となったジンベエザメの動画URLはこちら。