
ダバオ市では、2025年の第1四半期に、10代の妊娠が合計750件報告されており、これは2024年の件数を上回っている。
ダバオ市保健局(以下CHO)の地区保健医であるシャーレン・タン医師によると、これらの750件は、同期間に出産した女性全体の11.4%を占めているとのこと。タン医師は、この11.4%という割合は、2024年通年の10%と比較してやや高くなっていると指摘する。 また、この数字は第1四半期のみのものであり、今後さらに増加する可能性が高いとも述べている。
2025年5月15日、市長室(CMO)で開かれたISpeakメディアフォーラムにおいて、タン医師は「この傾向が年末まで続けば、件数はさらに増加する可能性があります」と述べた。
CHOは、10代の妊娠が増加している地域として、地理的に孤立し支援が行き届きにくい地域(GIDA)や、人口密集地区であるブハンギン(71件)、マリログ(69件)、トゥグボク(64件)、ブナワン(61件)を挙げている。
タン医師によると、各地方の保健センターには人口担当職員が配置されており、地域レベルで10代の若者たちと関わりながら支援を行っているとのこと。
また、フィリピン産婦人科学会南部支部および南フィリピン医療センター(以下SPMC)の代表を務めるメアリー・リー・リム医師は、若年で妊娠した少女たちは「ハイリスク妊娠」と見なされており、多くが自然分娩できず、帝王切開で出産していると話す。
「彼女たちは自分の子どもを十分に育てられない状況にあり、それが私たちの課題です。どうやってそれを防ぐか。社会全体として支援の手を差し伸べようと努力していますが、10代の妊娠件数をさらに減らすためには、市の協力が必要です」と彼女は述べた。
リム医師によると、SPMC産婦人科での月間入院患者のうち、10〜12%が10代の妊娠によるもので、年齢層は主に17〜18歳だが、13〜15歳のケースもあるとのこと。多くのケースが好奇心から始まっており、若年層では前頭前野がまだ完全に発達していないため、判断力が未熟で、自分の行動の結果を十分に理解できないことが多いと指摘する。
同部門では、未婚での性交渉に伴うリスクについて生徒に理解を深めてもらうために、学校で対話型の講義を実施している。
また、SPMCでは、10代の母親とその家族を対象に、家族計画に関する指導や心理的サポートを提供するティーンセンターも運営している。