
皆さんこんにちは! ダバオッチのミズキです。今年のカダヤワンの記事はこちらで最後。今回は最終日、8月20日に行われたフローラルパレードと、マーチングバンドコンテストの様子をお届けします。
この日はとある方のおかげで特等席からイベントを見ることができました。頭が上がりません。ということで前回の記事よりも近い場所でたくさん写真を取ることができたので、ありがたく使わせていただきます!
フローラルパレード(Pamulak sa Kadayawan)
まずはフローラルパレードから。こちらはガマイ部門(小さな山車)、ダク部門(大きな山車)、非競技部門の3つの部門に分かれています。いずれの部門についても山車を出す団体はさまざま。団体ごとに、その特徴がよく出ていました。
中でも高く評価されたダク部門とガマイ部門のそれぞれTOP3の入賞作品を中心に紹介していきます。
ガマイ部門
第3位 フィリピン退職庁(Philippine Retirement Authority、以下PRA)
第3位はフィリピン退職庁の花山車。「花山車」というだけあり、色とりどりの花がこれでもかと飾られています。少し見えにくいですが、一番上の三角形のパネルには退職後の人々に関わる退職庁らしく「LONG LIVE」の言葉が。
第2位 テレパフォーマンス(Teleperformance)
第2位はアウトソーシングのカスタマーサポートなどを行うテレパフォーマンス社の花山車です。オレンジ・黄色・紫・白がバランスよく配置されていて目を引きます。よく見ると先頭に取り付けられたフィリピンイーグルが風を切っています。
第1位 アロリカテレサービス(Alorica Teleservices Inc)
そして第1位はアロリカテレサービス社。こちらもビジネスアウトソーシングでカスタマーサービスなどを行っています。コールセンターなどのサービス業が特に盛んなフィリピンらしい会社と言えるかもしれません。白馬を象った花のオブジェが印象的です。ドリアンなどのフルーツも乗っています。花とフルーツの取り合わせがいかにもカダヤワン祭といった雰囲気です。
他の花山車はこんな感じでした。3枚目の山車は少数民族のグループのもので、先住民族の感性を反映したデザインになっています。4枚目は「ドリアン!」という勢いがある感じで個人的にお気に入りの花山車です。
ダク部門
第3位 ビスタモール(Vista Mall Davao)
ダク部門第3位はビスタモール。フィリピン全国に展開しているモールのダバオ店からの出場です。ネオンカラーと素材の色が融合していますよね。羽のような意匠がシルエットを華やかにしています。
第2位 エアアジア(Air Asia)
第2位はエアアジアの花山車。圧倒的に何の会社かわかりやすいですよね。ダバオの空によく飛んでいる赤い飛行機を模した花山車になっています。大きな蝶やドリアンもバランスよく配置されています。
第1位 VXIグローバルホールディングス(VXI Global Holdings B.V.)
そして第1位はVXIグローバルホールディングスの花山車。こちらもカスタマーサービスを主に行っている企業です。ミニサイズの少数民族の人形(?)が可愛らしいですね。先頭の銅像のようなものは、ダバオ市庁舎前の像のように見えます。そして、写真では伝わらないのですが、後ろ側のフィリピンイーグルはなんと動きます。すごくダバオらしく、そして凝りに凝った花山車でした。
その他の花山車も、サイズ以上に迫力がマシマシで大作揃い! どれもカラフルで、温かみのあるデザインが素敵ですよね。途中で上から紙吹雪が降る演出もあり、すごく豪華なパレードでした。
マーチングバンドコンテスト(Hudyaka sa Kadayawan)
続いてはマーチングバンドコンテスト。前日のダンスパレードもそうですが、市内外の学校から多くの団体が参加しました。
第3位 ミンタル総合高校(Mintal Comprehensive Hight School)
第3位のミンタル総合高校は、日本で言うところの中高一貫校。中学1年生から高校2年生までの生徒がパフォーマンスを見せてくれました。このステージの見どころは、なんと言っても中央の鉄筋部隊! 10人くらいの大所帯にも関わらず、1人で演奏しているような音の揃い方でした。
ちなみに前回記事で紹介したダンスパレードでは入退場の時間が別に取られていましたが、こちらのイベントでは入退場込みで1組の持ち時間が8分。入退場の素早い移動も注目ポイントと言っていいでしょう。
第2位 カルメン国立高校(Carmen National High School)
第2位のカルメン国立高校は、ダバオ市ではなくダバオデルノルテ州からの参戦です。先住民族風の衣装が特徴的で、ダンスにも先住民族のダンスの系譜を感じる動きが組み込まれていました。ダンスだけでなくブラスバンドの音圧もピカイチでした。
前日のダンスパレードと同様、こちらも炎天下を数時間練り歩き、踊ってきてのこのパフォーマンス。いくら南国育ちといえど、人間の体にはきついものがあります。その状態でこのクオリティを演じ切る演者の皆さんには脱帽です。その後の体調に特に異常がなかったことを今更ながらに願わずにはいられません。
第1位 マガリャネス小学校(Magallanes Elementary School)
そして栄えある優勝に輝いたのは、ダバオ市内にあるマガリャネス小学校のマーチングバンド。演奏・ダンス・小道具・装飾。どれをとっても一級品のパフォーマンスで、とても小学生のクオリティとは思えない出来栄えでした。
特に小道具の扱いが上手く、比較的シンプルな衣装に対して、白いもふもふや蛍光色の旗がよく映えるパフォーマンスでした。改めて、小学生でこれを作り上げた練習の凄まじさと、全員の意気込みが伝わってくるようです。これは一度は生で見てほしいところ。
最後には、前日のダンスパレードの優勝団体のパフォーマンスもありました。こちらはオープンカテゴリーのグランプリ。なんとミンダナオ島の北東部スリガオデルスル州のビスリグというまちからの参加者です。感情豊かな表現と展開の緩急が素晴らしく、観ていて心が揺さぶられるようでした。
まとめ
これにてカダヤワン祭2023は終了! 最後までお付き合いくださりありがとうございました。
キリスト教色の強い開会式に、少数民族の文化を紹介する期間限定の展示、ミスコンにファッションショーにと、出来ることは全部やる勢いで様々なイベントが凝縮されたお祭りだったと思います。
今回紹介した花山車に関しては、2017年の記事と比較すると、経済色が強くなってきているように見えます。以前よりも企業名の部分が目立ち、資本の流入、もといお金の匂いがする気がしなくもありません。経済が活性化しているということでしょうか。
また、マーチングバンドは、どの学校も動きに無駄や乱れがなく、プロのような演奏、バトン捌きで圧倒されてしまいました。手間と時間を考えると、夏休みが始まってからずっと、土日の運動部みたいな練習量をこなしていたことが想像できます。全員が真剣にパフォーマンスに向き合う熱量は、日本ではあまり感じたことのないものでした。
ダバオの魅力の詰まった10日間でした。来年の8月のカダヤワン祭が早くも楽しみですね。