5月3日、フランス企業Hydrogène de France(以下HDF)が、ミンダナオ島ザンボアンガシブガイ州で水から発電する50億ペソ規模の再生可能エネルギー発電所を建設するとミンダナオ開発庁(MinDA)の関係者が語った。
MinDA西ミンダナオ管理事務所のCarlos Cerezo局長は、地元ラジオ番組に出演し、外国直接投資家が、同州に電力を供給できる国内初の水素発電所を建設すると述べた。また、フィリピン情報局はウェブサイトで、提案されている発電所のプラントは、ミンダナオ島ザンボアンガシブガイ州オルタンガ島タルサンの自治体に建設される予定であると報じた。
Cerezo局長は、この施設は 「電気分解」と呼ばれるプロセスで水素と酸素を分離することで機能すると説明している。この施設はバッテリーによる蓄電も可能で、始めは10メガワットの発電が可能で、将来的には45メガワットまで発電できるようHDFが拡張する可能性もあるという。同企業はミンダナオ島の他の10地域に同様の施設を設置する計画もあるとのことだ。
化石燃料のコストは、世界市場に左右されるため変動が激しい。この発電所はミンダナオ島に持続可能な電力源を提供し、より高価な電力を供給する石炭発電所への依存度を下げることができるため、ミンダナオ島の電力業界にとって大きな変革になるとCerezo局長は語る。
この発電所が完成すれば、ミンダナオ島星部の電力供給の安定化につながる。現在は、特に地理的に孤立した地域などで、輪番停電が続く場所があるが、それが改善されることになるだろうとのことだ。
ミンダナオ島では近年、水力発電の改善を中心に再生可能エネルギーを確保するという議論が行われている。地元住民と環境に優しく、世界情勢の変化に振り回されにくいエネルギー源。今回の水素発電所もフィリピンにおける再生可能エネルギーへの移行に一役買うことが期待されている。