フィリピン輸出業者連合(以下Philexport)は、米国がフィリピンからの大半の輸出品に対し追加で12.5%の関税を課す決定について懸念を表明した。この措置により、フィリピン製品の米国市場における競争力が低下し、世界経済の不透明感に直面する輸出企業への負担がさらに増す可能性があると警告している。
2026年7月24日に、PhilexportがFacebook上で発表した声明で、強制労働の根絶や倫理的な労働基準の確立に向けた国際的な取り組みを支持する姿勢を示した。一方で、その目的を達成する手段として、一律的な関税措置を導入することは適切ではないとの見解を示した。
Philexportのセルジオ・R・オルティス=ルイス・ジュニア会長は、「フィリピンは長年にわたり米国にとって信頼できる貿易相手国であり、国際的に認められた労働基準を順守する姿勢を一貫して維持している」と述べた。
今回の追加関税は、米国通商代表部(USTR)が強制労働に関連する輸入禁止措置を巡って実施した「通商法301条(Section 301)」に基づく調査を受けて導入されたものだ。
オルティス=ルイス会長は、フィリピンの輸出企業は労働者の権利を保護する法律や規制の下で事業を展開していると強調した。また、多くの企業が、海外の取引先から求められるESG(環境・社会・ガバナンス)の国際基準や、責任ある調達(レスポンシブル・ソーシング)の取り組みをすでに導入していると説明した。
オルティス=ルイス氏は、輸出企業が依然として高い物流コスト、世界経済の先行き不透明感、地政学的緊張の高まり、さらに近隣諸国との競争激化といった課題に直面する中で、今回の追加関税が導入されたと指摘した。
「今回の12.5%の追加関税により、フィリピン製品の米国市場における競争力が低下する恐れがある。とりわけ、輸出企業の大半を占める零細・中小企業(MSMEs)への影響は深刻になりかねない」と述べた。
さらに、家具、衣料品、加工食品、ココナッツ製品、手工芸品、電子機器、水産品などの付加価値型製造業では、米国の買い手が代替供給先を探す動きを強めることで、需要減少や価格引き下げ圧力に直面する可能性があると懸念を示した。
一方、Philexportは、多くのフィリピン製品は米国企業と直接競合するものではなく、相互補完的な関係にあり、米国のサプライチェーンの強化や多様化にも貢献していると強調した。
オルティス=ルイス会長は、「フィリピンは、信頼性が高く、透明性と強靭性を備えたサプライチェーンを構築するうえで、解決策の一部として評価されるべきだ」と述べた。
さらに、「フィリピンの輸出企業は一貫して国際基準を順守しており、責任ある持続可能な生産体制への投資も継続している」と強調した。
Philexportはフィリピン政府に対し、外交および通商ルートを通じて米国政府との協議を継続し、追加関税の見直しやフィリピン製品への適用除外を求めるよう要請した。
また、強制労働によって生産された製品が世界のサプライチェーンに流入することを防ぐというフィリピンの取り組みを明確に示すため、必要に応じて国内の法制度や規制の強化を進めるよう政府に求めた。
オルティス=ルイス会長は、「一律的な関税を課すのではなく、両国政府が協力し、客観的な証拠に基づくアプローチを通じて、責任ある輸出企業の市場アクセスを維持しながら、倫理的な貿易を促進していくことを期待している」と述べた。
Philexportは今後、政府機関や業界団体、輸出企業と連携し、追加関税が個別製品に与える影響を分析するとともに、特に影響を受ける分野を特定する方針だ。そのうえで、フィリピン輸出企業が国際競争力を維持・強化できるよう、政策対応や輸出市場の多角化戦略の策定に取り組むとしている。






