【ミンダナオッチ】サンボアンガの自然も歴史もここに!パソナンカを40ペソで大満喫

パソナンカ
パソナンカ

皆さんこんにちは!ダバオッチのミズキです。今回でミンダナオッチも第3弾。またまたサンボアンガについての特集です。パセオデルマルグルメと来て、続いてはパソナンカ!

パソナンカ(Pasonanca)は街の中心から少し外れたところにあり、自然と歴史をどちらも楽しめる素敵な場所です。パセオデルマル同様、サンボアンガは一度そこに着いてしまうと、狭い範囲で目一杯楽しめるようになっており、とってもトラベラーフレンドリー。

ちなみに今回は、めちゃくちゃ歩きます。水分と塩分はお忘れなく。個人的にはパセオデルマルより後に行くのがおすすめです。理由は後ほど。

まずはミンダナオッチのおさらいです。

ミンダナオッチロゴ

ミンダナオッチでは、ダバオを飛び出して未開の地、ミンダナオ島全体の政治、経済、観光、治安、おすすめ情報を皆さんにお届けします。

ミンダナオ島の話

ミンダナオ島はフィリピンでルソン島(マニラ首都圏のある島)の次に大きな島で、ダバオッチの本拠地ダバオ市がある島でもあります。フィリピンの南部、赤道に程近い低緯度にあるため常夏の気候が特徴です。日本では見られない植物の緑に、建物のレンガ色の屋根、真夏の空の青と、ビビッドな色彩が印象的です。

この島は、首都マニラがあるルソン島に比べて、ムスリム(イスラム教徒)が多い地域です。かつては紛争があり、その影響で治安に不安があると思われがちです。しかし現在は、日本とまでは行きませんが、かなり落ち着いてきました。都市により雰囲気は違うものの、明るく温かく人が多いです。

観光地としては、中小規模の都市が島内各地に点在しており、それぞれ美しい海を持っています。まだ大手資本に見つかっていないのか、あまり手の入っていない秘境の海がたくさんあります。行くなら今のうちです。ちなみにフィリピン最高峰のアポ山(標高2,954m)を頂くのもこのミンダナオです。

海だけでなく、スペイン占領期の歴史ある街並みや、それ以前から紡いできた独自の歴史も街ごとに異なります。行く都市によって「ミンダナオ島」のイメージがガラッと変わることでしょう。

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サンボアンガの話

サンボアンガ(Zamboanga)。人によってはザンボアンガと読むこともありますが、どちらも通じるのでどちらでもいいと思います。

サンボアンガ市は地図の通り、サンボアンガ半島という半島の先端にある街です。スペイン統治下の影響が、サンボアンガ市民が使うチャバカノ語という言葉にも現れています。

この街には、100万近い人口が暮らしています。これはフィリピン全体にも言えることですが、特に若者が多いです。ミンダナオ島の中でもムスリムの割合が高いのが特徴です。

スペインとイスラム教という、スペインはグラナダのアルハンブラ宮殿にも通じる要素がかよっている訳です。その辺の店でヒジャブを売っていたり、かと思えばジプニーのミラーには十字架がぶら下がっていたり。日本ではまずない取り合わせが独特の雰囲気を醸し出しています。

ダバオからサンボアンガまでの行き方

ダバオからサンボアンガまでは空路がおすすめです。セブ・パシフィック航空がダバオからサンボアンガ、サンボアンガからダバオのフライトを毎日1便ずつ運航しています。(2023年4月時点)

所要時間は1時間5分。ダバオを14時35分に出発し、15時40分にザンボアンガに到着、復路はザンボアンガを16時10分に出発し、17時15分にダバオに到着します。

時期によっては片道1,200ペソ未満で行けるので、旅費を抑えたい時にも嬉しいですね。

セブパシフィック航空


サンボアンガ市街からパソナンカへ


サンボアンガ市の中心部からパソナンカまではジプニーで約25分。カンパネル通り(Campaner St.)から「Pasonanca」と側面に書かれたジプニーに乗りましょう。人が少ないと出発しないこともありますが、長くても十数分待てば席が埋まり、出発します。

料金は、運転手さんに行き先を告げると教えてもらえます。カンパネル通りからパソナンカまでは15ペソです。(2023年3月時点)

パソナンカからの帰りは、行きで降車した場所でPasonancaのジプニーを待ちます。このジプニーは街中とパソナンカを往復しているため、こちらも料金は端から端までの15ペソです。時間も同様に25分ほどで市街地に戻れます。

パソナンカパーク

パソナンカパーク(Pasonanca Park)は、パソナンカにある自然豊かな公園です。広大な敷地に珍しい鳥類や大きなスイミングプール、ツリーハウスなどがあります。さまざまな世代の人がおり、誰もが広い公園のお気に入りの場所を見つけていました

公園の入り口付近には、催し物の際に使われるであろうホールと、「I ❤︎ PASONANCA」のオブジェ。フォトスポットのようです。入り口付近では軽食や飲み物が売られています。

少し進んで右に曲がると、鳥類のコーナーに入ります。入り口に警備員さんがいるので、そこが目印です。入るとすぐ、憩いの場があり、おそらく家族連れが話に花を咲かせていました。

坂を下ると六角形の塔のような形の囲いに鳥たちがいるのが見えます。塔はかなりの数あり、小さなハトから大きなワシまで、さまざまな種類の鳥たちを観察することができます。

さらに進むと小川が流れ、ニワトリがその辺を闊歩するエリアに突入します。さらに奥まったところでは興奮したニワトリが2メートル以上の跳躍を見せつけ、筆者は「ニワトリって飛ばないんじゃなかったの」と震えました。攻撃されたらひとたまりもありません。

そのエリアを抜けると、カメがのそのそ歩いています。安全に見られるので純粋に可愛いです。戻り際にはヒクイドリもいました。ヒクイドリはかなり凶暴な鳥として知られており、恐竜の子孫として、その特徴を受け継いでいるそう。遠くから見ると、鮮やかな頭部が美しいですね。

鳥類のエリアを引き返し、左の道を進むと、プールが見えてきます。パソナンカパークには巨大なプールが複数個備え付けられており、滑り台が付いているもの、競技に使用できるもの、その特徴はさまざまです。

しかし残念なことに、取材当時は清掃中で、中に入ることができず……。

ということで、気を取り直してツリーハウスに向かいました。

ツリーハウスは坂を下ったところにあります。柵は午前6時から午後6時まで開いています。中には入れませんが、階段を登ってツリーハウスに極限まで近づくことはできます。

壁は竹で出来ており、夢とロマンが詰まっています。階段が少し急なので、下を見るときはご注意を!

ちなみにここよりもう少し上の方にはキャンプ場があります。

巨大な木が悠々と枝を伸ばし、自然の大きさを感じさせます。

ツリーハウスまで来たらあとは来た道を戻るだけ。こちらはプールが見えるエリアのさらに奥にあった、巨大なカボチャのオブジェです。ここは取材の日は入れませんでした。他にも色々見えたのですが、残念!

パソナンカパークは全体を通してまあまあ傾斜が急なので、見て回るだけでもいい運動になりました。

バタフライガーデン

バタフライガーデンは、パソナンカパークのすぐ隣にあります。ここでは、実際に保護されている蝶を間近で見ることができます。

入り口で入場料の10ペソを払うと、間近で蝶を見られる庭に案内してもらえます。飛び石も蝶の形になっていて可愛いです。

花は色とりどりに咲いています。純粋に庭園としても楽しいです。童謡の歌詞のように花から花へ文字通り蝶が飛んでいき、蜜を吸う光景がそこかしこに。まさに楽園のような世界観でした。

虫が苦手な方、右の写真閲覧注意です。受付の建物の裏側は、幼虫から蛹までの蝶のエリアでした。諸事情(怖かった)により近づけませんでしたが、蝶にとって、幼虫から成虫になるまで過ごしやすい環境が整っているようです。

こちらは限界まで近づいて撮った一枚。何回か逃げられました(笑)。

こちらは受付の建物に掲げられていた格言(?)。おしゃれな言い回しが素敵で気に入っています。バタフライエフェクトですね。

ちなみに、中に入らなくても、外側から庭園や蝶を眺めることができます。こちらからでも十分綺麗なので、蝶を見たいけど触るのは怖い方にはこちらがおすすめです。

サンボアンガ博物館

バタフライガーデンの、パソナンカパークではない方のお隣。ここにはサンボアンガ博物館があります。パセオデルマルの記事で紹介した国立博物館とは別の博物館ですが、展示が少しリンクしています。

記事の冒頭で、パソナンカはパセオデルマルより後に来た方が良いと書きましたが、正確には「サンボアンガ博物館は国立博物館の後に来た方が面白い」です。国立博物館で大まかな内容を掴んでから来ると、理解できることが増えてより展示内容が入ってきます。

ところで左の写真は博物館ではないのですが、ほとんど同じ形で隣にあるのでこちらでお許しください。外観を撮り忘れるという致命的なミスをしました。すみません。

受付では身分証明書(パスポート)を見せ、記名をします。入館料は国立博物館と同様に無料で、なんとガイドまでしてくれます!

今回ついてくれたガイドさんは、明るく、英語の発音がはっきりしており(重要)、知識が豊富で最高でした。

スペイン統治期以前のサンボアンガでの人々や、暮らしの様子です。精巧なジオラマもあり、見るだけでも雰囲気が伝わります。

こちらはハウスボートの縮小模型です。実寸大は国立博物館にあります。

スペイン統治期の展示です。キリスト教化が進んだのが模型から見てとれます。この頃の影響は、現在のサンボアンガの街並みにも多分に見られます。

アメリカの占領下に入りました。この頃になると写真の史料が増えてきます。

右は当時使われていたという金庫です。細かく区切られた各スペースには、それぞれ何が入れられていたのでしょうか……?

日本の占領下で使われた紙幣もありました。色味のせいか、なんとなく日本円のお札のような雰囲気も感じます。

そしてやっと、独立したフィリピン共和国でのサンボアンガの歴史が始まります。

サンボアンガの政治家や、現在の市庁舎の写真が展示されていました。サンボアンガという都市や地方の範囲や帰属も紆余曲折あったそうです。

最後の展示はフィリピン国旗でした。これは2013年のサンボアンガ市での武力衝突の際に掲げ続けた旗なのだそうです。

歴史上重大な出来事ではありましたが、これに関しての展示はこの旗1枚。あえてそれ以上飾っていないのだとガイドさんが教えてくれました。

多くを語らぬ旗ですが、平和とは何かを問い、考え続ける必要を説いているように感じさせる力がありました。

最後は利用者アンケートに回答して終わりです!サンボアンガに特化した展示が素敵な博物館でした。

まとめ

ということで、パセオデルマルに引き続き、パソナンカの観光ルートでした。大体3〜4時間で全て回れるので、午前か午後かのどちらかに組み込むのが良さそうです。近くには食堂もあり、地元の味が提供されています。ランチにおすすめです。

持ち物は、最低限40ペソ(ジプニー往復15ペソずつ+バタフライガーデンの入場料)と、パスポートがあれば大丈夫。プールやキャンプ、ランチの予定を入れている場合は、別途追加する形です。

最後に、今回までの記事を通して、サンボアンガの魅力が少しでも皆さんに伝わっていればいいなと思います。次回からはフィリピン屈指のビーチリゾート、シャルガオ島を特集していくので、そちらもお楽しみに!

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