ダバオオリエンタル州の採掘企業が、環境天然資源省(DENR)から操業停止命令を受けたことが、1月17日に判明した。付近のMapagba川やBanaybanayの海岸線で泥の沈殿と変色が見られたが、同企業が原因とされたためだ。なぜ川や海は汚染されてしまったのだろうか?
17日月曜の記者会見で、DENR-DavaoのBagani Evasco局長は、同日に採掘企業「Arc Nickel Resources Inc. :Anri」の操業を停止したと明らかにした。事の発端は13日木曜、14日金曜にダバオオリエンタル州Banaybanayを襲った大雨であった。このとき、掘削で出された土砂が流れ出し、Mapagba川が氾濫してしまったという。また、Pintatagan川でも大量の土砂が流入し、大雨をとどめておくことができなかったという。その後、その日のうちに設けられた緊急の会議にて、操業が停止されたのであった。
この企業は、環境維持をおこなっている証明証(Environmental Compliance Certificate: ECC)の3つの項目に違反しており、違反金は5万ペソ相当になるという。さらに、法令にも定められている純水条例(Clean Water Act)にも違反していると見られ、すでにサンプルとなる水は採取しているという。
また、Anriには環境の復旧のためにすぐに動き出すよう指示も出ており、溜まった泥を減らさなければならない。指示が出てから5~7日で、池に大量に沈殿した泥を取り除く工事が急ピッチでおこなわれることになる。掘削作業は中止されるが、復旧工事は即時おこなわれることになるようだ。さらに、影響を受けた川にも作業員が派遣され、溜まった泥の影響を受けた住民にも食料の入ったパックが渡された。
Anriは2021年9月に操業を開始し、ダバオオリエンタル州やダバオデオロ州の私有地6,363ヘクタールを開発した。また、同企業には改善がおこなわれるまで、定期的な監視がおこなわれるという。
影響があった川の環境がいち早く戻ってほしいと思う。