【News】ダバオ市内の先住民族に「ココナッツの苗木」が配られる、そのねらいとは?

ダバオ市のバランガイMagcuayanにて、先住民族の約2,700家族に向けて「ココナッツの苗木」が配られた。このイベントで配られたココナッツの苗木は、実に2万個にもなった。先住民族にココナッツの苗木を配るのには、どのような狙いがあったのだろうか?

フィリピンココナッツ協会(PCA)のRoque Quimpan氏は、これら2万個のココナッツがすべて無事に育ったら、毎年およそ1,400万ペソ(約3千万円)の現金収入を生むことになると述べ、ココナッツの木1本だけでも70ペソ前後(160円程度)は生み出せるはずだと語った。さらに、ヤシの実の殻から物を作る人がいるので、このごろは殻だけでも60ペソ(135円程度)で売れるはずだとも語った。

このように、ココナッツは付加価値がとても高くなっている。ココナッツ協会のエリアマネージャーであるJuvy Alayon氏によると、専門的知識を共有する場も同協会にはあり、新しく植えられたココナッツの苗木の正しい世話の仕方や、ココナッツビネガーやココナッツチップスなど、現在市場価値が高いものを紹介することもできるという。Alayon氏は、ココナッツ農家の皆さんに、ココナッツに付加価値を付けて製品を作れるようにし、生活を安定させるべきだと語った。さらに、同氏は、「ひとつのココナッツ製品だけに依存すべきではありません。以前、我々はココナッツそのものを売っていました。今は、そのままで売るよりもっと高くなるココナッツ製品に関する知識がもっとあるのです」とも語った。

今回ココナッツの苗木を受け取った部族のひとつであるアタ族は、ココナッツの苗木を分けてもらえたことは生活の大きな足しになると語った。遠くに住む先住民族にとって、自分たちの心配事を聞いてもらったり、支援を求めたりすることは難しいという。

南国でしか育たないココナッツは、たしかに多様な使い方がある。筆者が数年を過ごしたマーシャル諸島では、ココナッツの実や木のひとつひとつ、私たちの想像を超えるほど細かい部分にまでマーシャル語の固有名がある。そして、食用にするだけでなく、火を起こしたり、飲み水を確保したりと、さまざまな使い道がある。日本ではあまり目にしないココナッツには、私たちも知らない可能性がたくさん秘められている。

今回の支援が、先住民族の生活の役に立つことは間違いないだろう。

【News】ココナッツの世界的需要増加、ミンダナオで輸出解禁が訴えられる

【News】バージンココナッツオイルが新型コロナウイルスに有効?、ダバオ市でも臨床試験

ニュース記事をもっと見る

Hello world tours

ビザ・レンタカー・通訳・翻訳なら | ダバオの日系旅行会社