2021年3月29日(月)、地元紙などが伝えたところによると、新型コロナによる長引く隔離措置や移動制限等の影響を受け、ダバオの有名ホテルのひとつで、70年以上の歴史を持つアポビューホテルは2021年3月31日(水)を持って営業を停止すると伝えた。
アポビューホテルは、第二次世界大戦後の1948年に創業、僅か15部屋から営業を開始したダバオの老舗ホテルである。1978年には100室を提供する大型ホテルへと変貌を遂げ、1988年に火災に見舞われるも改修工事を終えて後は146室を有するダバオを代表するホテルとなった。
1990年代に入ると創業者側のお家騒動が勃発し、法的紛争に発展。徐々に経営状態が悪化していき、裁判所による再建計画が承認されると、その経営権はGlobal Comfort Group (GCGC) 社の子会社であるEurotelホテルへと2014年に移管され、その後2016年にGCGC社の関連会社であるIconホテルに引き継がれた。
2020年3月のパンデミック以降、新型コロナウィルスの感染拡大で市内における隔離措置や移動制限など、次々と感染拡大防止対策が発動された結果、観光業やホテル業はお客を受け入れることが不可能になり、事実上の営業停止状態に追い込まれていた。
2020年6月にはダバオのシンボル的存在であるマルコポーロホテルが閉鎖、11月には国営カジノを有するグランドリーガルが営業を停止、そして今回のアポビューホテルと、世界で最も長いとされる1年以上にも渡るフィリピンの封鎖措置でダバオのホテル業界はどこも非常に厳しい経営状態に陥っている。