ダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は、フィリピン政府が緊急使用許可用のワクチン調達を認める文書をまだ発行していない中、市内における新型コロナウィルス感染拡大をいち早く収束させるべく新型コロナウィルスのワクチン製造に取り組んでいる民間企業と独自の話し合いを開始した。
11日(金)、サラ市長は地元のラジオ番組に出演し、現在ワクチンを製造している国外3つの製造メーカーに打診をした結果、フィリピン政府がワクチン使用を承認することを前提にダバオ市に対して直接ワクチンを提供することを希望するメーカー企業は1社のみであったことを明かした。
しかしながら、その1社もダバオ市との直接の交渉よりもフィリピン保健省とワクチンの値段や利益について話し合いをする方が会社として優先度が高いと知らされた結果、ダバオ市とワクチン製造メーカーとの話し合いは一旦中断することになったと述べた。
フィリピン政府は、緊急使用許可用のワクチン調達を認める文章をまだ発行していないが、サラ市長のワクチン確保を目指す一連の動きに対して、一部の市民からはワクチンの信頼性、安全性の不安から市長がまず最初にワクチンを接種し、安全性を市民にアピールすべきだという声も上がっている。
サラ市長はこのような市民からの声に対し、ワクチンの信頼性や安全性への担保は国の機関であるFDAが行うものだとし、ダバオ市としては国がパンデミック下にある中、市としていち早くワクチンを確保する動きが求められているし、市民のために確保していきたいと述べている。
また、ワクチンを確保するための予算も柔軟に対応していくことが可能だとも述べ、現在ダバオ市で計上されている予算のうち、いくつかの部分をワクチン確保へとスライドさせて調整、対応していくとし、ダバオ市独自のルートで新型コロナウィルスのワクチンをいち早く確保することへの意欲を示している。