ダバオ市観光局(Davao City Tourism Operations Office:以下、CTOO)は、今年度のカダヤワン祭りにおいて、10億ペソ以上の損失があったと報告した。今年度のカダヤワン祭りはオンラインでの開催に切り替わり、新しい形で盛り上がりを見せたが、その一方で新しい課題も見えてきたようだ。
CTOO局長のジェネローズ・テクソン氏によると、飛行機での移動や大勢での集会が制限された影響で、前年度の祭り全体の収益が10億ペソ以上であったのに対し、今年度はほとんどゼロに近かかったという。
今年度は祭りを「カダヤワン・デジタルウィーク2020」と題し、オンラインでの開催となった。そして、祭りの期間中にはHulagway Kadayawan, Kadayawan Museonline, Tiktok Indak-indak Kadayawanなどのコンペ企画が開催され、たくさんの市民が参加した。テクソン氏は、「人々の反応はよかった。たくさんの人が、カダヤワン祭りがないことを悲しく思っていた。参加者の数は、私たちが想定していたよりも多かった。投稿された作品を見ると、心が熱くなった」と語っている。
このようなオンラインでのイベント開催について同氏は、新型コロナウイルスの終息の目途が立たない現状では、これから迎えるクリスマスも、同様の形式でイベントを開催する必要があると語っている。さらに、感染拡大対策に配慮しながら、人が来れるようなイベントも考えていく必要があるとも述べた。
さらに、ダバオ市の観光客数の落ち込みには大きな課題がある。1月から8月までの観光者数を比較すると、前年度が1,717,255人であったのに対し、今年度は512,394人にまで落ち込んでいる。実に70%も下がっているのだ。そこで同氏は、「市がすべきことは、すべてのことをニューノーマルに適するように動かしていくことだ。喫緊の課題は、空港のような外との窓口である。だからこそ、これらの窓口で厳しい規制が敷かれている」と語っている。