【News】ダバオ市議員ら、看護師の賃金引上げを訴える

SPMC

ダバオを拠点に活動する二人の議員が、私立病院で働く看護師の賃金を引き上げるために活動している。新型コロナウイルス対策の最前線で働いている看護師は、国で定める最低賃金にも満たない額しかもらっていないというのだ。

ダバオ市議会の副議長兼第1地区代表であるパオロ・ドゥテルテ氏、およびDumper PTDA党首であるクラウチン・ダイアナ・バウティスタ氏は、ACT-CIS党首であるエリック・ゴー・ヤップ氏と共に、「2020年 私立病院勤務の看護師に対する最低賃金に関する行動(Minimum Wage for Nurses in the Private Sector Act of 2020)」という法案を提出した。これは、私立病院に勤める看護師の最低賃金を設けることを、労働雇用省(Department of Labor and Employment;以下Dole)に直接求めるものである。

Dole地方局の報告書によると、同書の調査対象となった私立病院の看護師の平均給与はひと月で9,757ペソ(約20,000円)であり、これは収入が最も低い層の市民の平均値よりも少ないものであるという。また、同書には、政府は公立病院に勤務する看護師の給与レベルを15に相当するとしており、市町村の規模に応じて19,845ペソ~30,531ペソ(約43,000円~66,000円)の範囲で最低賃金を設定することと記載されている。どれだけ私立病院で働く看護師が厳しい状況であるかがわかるだろう。

現在は法案を現実のものにするため、各省庁では公立病院と同じ給与水準となるように、私立病院に勤務する看護師の最低賃金が定められる運びとなっている。また、この規定が可決された後、違反する病院には10万ペソ以上、100万ペソ以下の罰金が課されることになる。また、違反によって被害にあった看護師は、支払われなかった給料の支払いだけでなく、弁護士費用も要求してよいとされている。

同法案の提案者は「この取り組みは、最前線で働く看護師を支援するものになる」と語っている。給与問題の解決まであと一息である。