15日(金)、ダバオ市は本日までの期限となっている強化されたコミュニティ防疫(ECQ)の延長を行わず、明日16日(土)から5月31日まで封鎖レベルを2段階引き下げた一般的なコミュニティ防疫(GCQ)へ移行することを正式に発表した。一般的なコミュニティ防疫(GCQ)に移行されることで制限付きではあるが、多くの経済活動が再開される。
そのひとつが、庶民の足であるジープニー(乗り合いバス)である。 ジープニーは、本日までの強化されたコミュニティ防疫(ECQ)期間では運行を禁止されていたが、明日16日(土)以降は、運行再開が可能となる。再開にむけて、フィリピン運輸省傘下のLTFRBダバオ支部は、一般的なコミュニティ防疫期間中はジープニーの初乗り料金を現行の8ペソから9ペソへ値上げすることを承認した。
値上げの知らせはドライバーにとって、喜ばしいニュースであるはずが、話はそう簡単ではない。というのも一般的なコミュニティ防疫期間中にジープニーは様々な新型コロナウィルス拡大防止策を実施しなければならないのである。具体的に言えば、ソーシャルディスタンス義務、座席占有率は50%以下、ドライバーの横に乗客を乗せてはいけない、座席に仕切りを設定すること、座席で乗客同士が向き合わないようにすることなど、多くの制限が加えられている。
単純に言えば、定員13名のジープニーであれば、通常時は8ペソ×13名で104ペソの収入があるが、上記で述べた条件を満たそうとすれば、値上げされた値段だとしても9ペソ×6名で54ペソとなり、収入は50%程度という計算になる。働けば働くほど本来得られるであろう収入との格差は開き、また新型コロナウィルス感染のリスクも常に伴うことになるため、ドライバーは経済的にも精神的にも疲弊していくことが心配される。