保健省(Department of Health 以下DOH)の全国予防接種プログラム・ダバオ地方責任者のJanis Olavides氏は、ポリオの予防接種キャンペーンを強化していると報告した。
フィリピンでは1993年を最後にポリオの症例は確認されていない。しかし、近年はポリオワクチンの接種率が低く、ポリオが流行する危険性が高まっていると、Olavides氏は説明した。国が目標とする予防接種率は95%だが、現在の接種率は67%だという。ダバオ地方でも2018年のワクチン接種率は67%にとどまり、目標接種率を達成していない。同氏は、ポリオが流行する前に、予防接種を受けるよう国民に促している。また、5歳未満の幼児には無料で予防接種を提供すると述べ、乳幼児を持つ親へ、子どもの予防接種を行うよう促した。
ポリオは、特に乳幼児がかかりやすいウイルス性疾患で、汚染された食事と水を介して感染が広がる。ポリオウイルスが人の口の中に入って、腸の中で増えることで感染。増えたポリオウイルスは、便の中に排泄されるが、万が一ウイルスが脊髄の一部に入り込むと、最悪の場合、麻痺が一生残ってしまう場合もある。
ダバオ市は「健康都市」と認知されるよう努力を重ねている。ポリオの予防接種キャンペーンの強化は、健康に対する高い意識を表しているといえるだろう。